シネマトゥデイ映画ニュースより(以下一部抜粋)
> イタリアのシベリア・ベルルスコーニ首相を痛烈に批判したドキュメンタリー『ドラクイラ』が現地時間13日、第
63回カンヌ国際映画祭で招待上映された。
同作品は、2009年4月に起こったイタリアの中部地震の悲劇を、重なるスキャンダルや政策批判を受けるベルルスコーニ首相が、自身のイメージ アップ回復に震災を利用するために、意図的に被災者救援政策を引き延ばしていたことを暴いた問題作。監督は、2005年にも映画『ビバ・ザバテロ!』でベ ルルスコーニ批判を展開したコメディアン出身のサビーナ・グッツァンティ監督。権力者をも恐れぬ突撃精神でマイク片手に取材に赴くことから、“イタリアの マイケル・ムーア”とも称される女性監督だ。今回もタイトルからして、震災が起こった街の名(ラクイラ)とドラキュラを合わせた造語で、ベルルスコーニ首 相を「ラクイラの血を吸うバンパイア」と揶揄するなど、攻撃の手を緩めない。
そのため撮影中から、ベルルスコーニ首相の圧力と思われる被災地での取材拒否などの妨害を受けたり、またカンヌでの上映を巡っては、首相と同じ政 党に属するサンドロ・ボンディ文化相が公式上映出席のボイコットを宣言する騒動に発展していた。
だが彼が映画に不快感を示して騒ぎ立てたおかげ(?)で宣伝効果は抜群。この日行われたプレス試写も公式上映も満席となる盛況ぶりとなり、グッ ツァンティ監督のカンヌ・デビューを華々しく盛り立てる結果となった。グッツァンティ監督は「民主主義において、風刺は言論の自由の一部」と堂々と語って おり、今後もグッツァンティ監督VS.ベルルスコーニ首相の対決が注目されそうだ。