2月に76歳で亡くなった俳優・藤田まことさんに捧げるスペシャルドラマ「必殺仕事人2010」(テレビ朝日系、7月10日、後9・00)が完成。藤田 さんが長年演じてきた中村主水が生きているという設定で“出演”することが分かった。17日、都内で会見した少年隊の東山紀之(43)、TOKIOの松岡 昌宏(33)らバトンを渡された“仕事人”は「藤田さん自身が仕事人だった」と想い出を明かし、藤田イズムの継承を誓った。
  ◇  ◇
 「必殺の新作に出演する」という藤田さんの悲願は、かなえられた。

 制作のABCによれば、主水は「生きている」という。劇中では「主水が手紙を置いていなくなる」設定になっており、過去のシリーズの映像を使用し、登場 する。

 藤田さんは病に倒れた後も、復帰のためリハビリに励み、撮影を楽しみにしていた。しかし、台本が届いたのは亡くなった日の夜。関係者によると、棺に入れ られた台本の一部は燃えずに残っていたという。

 今作の撮影前に藤田さんが亡くなり、一時は制作の断念も検討されたが、追悼の意を込めて放送が決定した。

 5月18日は、1979年に必殺シリーズ第1回が放送された記念の日。東山、松岡、和久井映見(39)、KAT‐TUN・田中聖(24)ら出演者が、必 殺のテーマが流れる中、黒じゅうたんを歩き、藤田“主水”の遺影に花を供えた。

 藤田さんを“親分”と呼び、慕っていた松岡は、藤田さんが撮影の合間にCM「当たり前田のクラッカー」を実演してくれたエピソードや、昨年、連ドラ「必 殺」撮影終了後の打ち上げで「松岡くん、必殺を頼むよ」と言われた秘話を披露。「藤田さん自身が仕事人だった」としのんだ。

 「中村主水というとてつもなく大きな存在がいなくなり、(ドラマを)やるべきかやらないべきか考えた」というのは主演の東山。黒いシャツとスーツで登場 し「藤田さんに見ていただいて恥ずかしくないものができた。(藤田さんと)ご一緒させていただけたことが財産。ちょっとしたことでも声をかけていただいた 優しさも受け継いでいきたい。いつか天国で藤田さんと会えたときに『よお』って言ってもらえるように」と熱く語り、藤田さんの遺志を継いで必殺シリーズを 守り続ける気持ちを明かした。