eiga.com より(以下一部抜粋)

> 塚本晋也 監督の最 新作「鉄男 THE BULLET MAN 」(アスミック・ エース配給)が、5月22日に全国で封切られる。公開前日となった21日、ジョニー・デップ ティム・ロス が主人公の鉄男を演じる寸前まで話が進んでいたことが 分かった。

同作は、肉体を侵食する金属との戦いを描いた「鉄男 」(1989)、「鉄男II」(93)の21世紀版、アメリカ版 という位置づけの挑戦的作品。過去2作は鉄男を田口トモロヲ が 演じ、今回は米俳優エリック・ボシックが引き継いでいる。


塚本監督は、「鉄男II」を撮り終えた直後の93年、ハリウッドの有名プロ デューサーの誘いを受けて渡米。“ハリウッド版鉄男”のプレゼンテーションを行い、その場で「シザーハンズ 」に出演したばかりのデップの起用を表明したという。今 や大物のデップも当時は新進気鋭の存在でしかなく、話は好感触で進行していたが、塚本監督とプロデューサーとの関係が決裂したため「主演ジョニー・デップ 」はお蔵入りになってしまった。


翌 94年には、クエンティン・タランティーノ 監督が続編製作を 熱望し“TETSUO AMERICA”と銘打たれたプロジェクトが始動。2人が行った会議では主演にティム・ロス の名前が挙がったそうで、「ティムは演技が素晴らし く、平凡なサラリーマンと鉄男の両面を演じられる俳優だ」と塚本監督が絶賛した。ロスとは「レザボア・ドッグス 」で組んだ経験のあるタランティーノ監督も乗り気 で、「この話を聞いたら、ティムは飛んで喜ぶぜ!」と自ら率先して動いたという。


しかしその後、企画そのものが暗礁に乗り上げ、01年9 月11日を迎える。塚本監督は、同プロジェクトの舞台を生死の切実さを知らないバーチャルシティとしてのニューヨークと想定していたため、争いの恐ろしさ を知ったニューヨークを鉄男が破壊する必要がなくなったと判断。自ら企画に幕を下ろし、ティム・ロス 版「鉄男 」も日の目をみることはかなわなかった。


それで も、「鉄男 」第3弾プロジェクトは10数年間にわたり水面下で 進行していた。07年に納得のいくプロットがようやく完成したため、いよいよ具体的に始動。3代目の鉄男を演じるのは、俳優としては無名に近かったボシッ ク。ファッションブランド「Gucci」のモデル経験があり、舞台俳優やフォトグラファーとしての顔をもつ異色の経歴の持ち主だ。22日、塚本監督の太鼓 判を押した同作の全ぼうが明らかになる。
Who killed Cock Robin?
* なるほど、随分ハンサムな人だと思ってたら、元モデルさんでしたか。