フジテレビは10日、91年に武田鉄矢さんと浅野温子さん主演で放送されて大ヒットしたドラマ「101回目のプロポーズ」を中国映画としてリメークする ことを明らかにした。また、江口洋介さん主演のホームドラマ「ひとつ屋根の下」が中国でリメークされ、テレビドラマ化されることも明らかになった。

 リメークは、フジテレビの海外事業の一環で、中国大手制作会社「美錦影視文化有限公司」をパートナーとして、共同制作を行う。フジテレビは制作出資を行 い、出資比率に応じて中国での収益を得る。現地のキャスト・スタッフ・監督・脚本による製作体制で、ユーザーのマーケティングサンプルも中国を意識し、中 国での大ヒットを目指すとしており、同社では、初めての試みとなる。

 中国版「101回目のプロポーズ」は若き女性監督、エヴァ・ジンさんが手がける。ジンさんは、女優のチャン・ツィイーさんがプロデュースし、主演した映 画「ソフィーの復讐(ふくしゅう)」(原題『非常完美』)で、1億人民元(約13億円)の興行収入を記録している。

 現在は、脚本執筆段階で、キャストは今秋決定予定。同社では興行収入の目標についてジン監督の前作と比較し「1億人民元を最低でも超えていく」と話し た。制作費は2500万~3000万人民元(3億2500万~3億9000万円)を予定しており、同社は「30%前後の出資ができれば」と話した。11年 2月14日から、中国の600~700のスクリーンで公開予定。日本での公開は未定。

 また中国版「ひとつ屋根の下」は、年内に撮影を開始し、11年夏以降に放送予定。脚本執筆段階で、キャストはほぼ内定しているという。日本版のパート1 とパート2を合わせて全20話として放送する。

 美錦影視文化有限公司の王子文・総裁兼CEOは「(知っている)日本のドラマを一般の人に聞くと、『東京ラブストーリー』、『101回目のプロポー ズ』、『ひとつ屋根の下』になると思う。(中国の)ドラマ市場は毎年30%、映画産業は50%のスピードで発展している」と紹介。

 同社の曹華益会長は「90年代の日本のドラマは中国でかなり有名で好まれている。100回の失敗をして101回目に(プロポーズが)成功するという、若 者の頑張る精神が描かれ、中国の若者に合う。(中国では)結婚難という社会問題があり、今年、プロポーズを題材にしたバラエティ番組がヒットした」と、 「101回目のプロポーズ」のリメーク理由を語り、デビュー作「ソフィーの復讐」がヒットしたジン監督について「彼女自ら脚本を作りたいと快くOKしてく れた。全中国がジン監督の2作目の映画に注目している」と話した。

 フジテレビでは「映画事業の延長線上ではなく、海外事業の中の中国部門の作品」と位置づけており、「先へ進んで、大きなビジネスにつなげていきたい」と コメント。美錦影視文化有限公司との共同制作について「さまざまな決定に関しては意見を述べる。宣伝やタイアップについては(日本と中国の)いいところを とりながら進めたい。今後は映画やドラマで継続的なパートナーとして事業展開していく」という。