> 活動休止中の5人組バンド「SOPHIA」のボーカル・松岡充(38)が、初ソロとして劇場版「仮面ライダーW」(8月7日公開)の主題歌「W」(同 11日発売)を歌うことが20日、分かった。「SOPHIA」はキーボード・都啓一(38)が、ろ胞性悪性リンパ腫を患い、活動休止。同曲は、病床にいる 都が作曲を担当。「彼が命を削って書いた曲。ソロではなく、松岡充と都啓一の“ダブル”で映画の『W』を支える」と、並々ならぬ気持ちで主題歌を送り出 す。

 デビュー15周年にキーボード・都が血液のがんを患ったことで活動を休止しているSOPHIA。都が、ボーカル・松岡のソロ第1弾となる劇場版「仮面ラ イダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」の主題歌「W」の作曲を手掛けた。

 松岡は「仮面ライダーW」の「2人で1人のライダー」というテーマに共感。出演のほか主題歌を書き下ろすことになり、都の作曲が浮かんだ。「人と人の最 小単位は2人という思いがある。自分には誰がいるのか。命を懸けている友達がいる。命懸けのエネルギーはでかい。その力をWというテーマにもらおうと思っ た」

 松岡と都はともに「かけがえのない存在」。松岡の初ソロ名義だが「ソロというより“ダブル”という感じ。彼の作った曲はパワフルな楽曲」と、2人の合作 という気持ちが強く、タイトルにもその思いを込めた。松岡と都が生まれたのが、テレビシリーズ「仮面ライダー」の放送が始まった1971年。そんな偶然も 重なった楽曲に「今になって必然だ思う」。

 主題歌は候補曲として松岡が5曲、都が2曲を制作。「彼の曲はダントツだった。『俺はあと何曲作れるのか』というパワー。命を削って書いたことに対し、 失礼じゃないようにという覚悟でレコーディングに臨んだ」と力を込めた。

 都は入退院を繰り返しながら抗がん剤投与などを受け闘病中。「彼はもちろん復活するつもりで闘っている。彼も『すごく勇気になる』と言ってくれた。僕ら がそうだったように、劇場で見た子供たちの中からクリエイターやアーティストが生まれるかもしれない」。映画を見た子供たちの笑顔が都にとって病に打ち勝 つ良薬となる。

 ◆仮面ライダーW 史上初めて「2人で1人の仮面ライダーになる」というテーマで製作。主演は桐山漣(25)と菅田将暉(17)。松岡は、最悪最凶の 敵・仮面ライダーエターナル(大道克己)を演じており「仮面ライダーは子供時代にすぐそばにあって育ってきた。まさか自分がライダーになるとは。都もメン バーも『すごい!』と喜んでくれている」と手放しで出演を喜んだ。