26、撮影を終えて
「面白いことに、これまで静かで美しい場所へ行っても、自然環境のことをじっくり見ていなかったことに今さらながら気付いた。でも今は見ることができるよ
うになってきた。これはとても良いことだ」
「炎を運ぶ人間はリーダーとなる人間だとも解釈できる。炎を運ぶことは命の力を運ぶことを意味している。世界のあらゆる物がなくなってしまったため、命へ の希望であれ春であれ、どんな呼び方をしようと、生きることへの希望をつなぎとめるのは私たち次第だ」
24、荒廃した世界の中で演じることについて
「ある意味、私は人生で初めて、春の訪れを拒み人生を否定した。それがまさに物語の中で火を運ぶということが本当に意味することだと思う」
23、過酷なロケについて―②
「撮影は最初からほとんど外で行い、ずっと雪や泥や雨の中にいた。その後屋内での撮影となり、天気の心配をする必要がなくなった。オレゴン州は春の終わり
で美しかった。
しかもこの日の朝は、撮影を始めて以来初めて草の中にしばらく座り、緑を眺めたり、鳥を見たりした。私は外に出るのが大好きな人間
だし、四季の移り変わりが大好きだ。樹木や花のことを学ぶのも好きだ。いろいろな場所、自然の溢れる場所に興味があるが、この映画のおかげで、緑も太陽
も、何もない世界のことばかり考えることになったよ」
22、過酷なロケについて―①
「役者は、一緒に演じるものに対応していくんだ。撮影では、周りの荒涼とした風景にリアリティーがあって、そこに入っていけた」
21、シャーリーズ・セロンについて
「シャーリーズは最初のリハーサルから100%全力投球だった。彼女の演技によって、物語に必要な感情の高まりは保証されたも同然だった」
20、キャスティングについて
「ジョン(監督)はこの映画をうまくキャスティングした。私たち2人だけじゃなくてね」
19、息子役、コディ・スミット=マクフィーについて―③
「私は優れた俳優たちと仕事ができて幸運だったが、彼よりも優れた俳優パートナーはいない。大ベテランで賞を受賞した俳優から、新人の若い伸び盛りの俳優 まで見渡してもそう思う。私は彼ほど演技中に落ち着きがある人物と仕事をしたことはない。彼の演技により、この映画は今後何度も観る作品の1つになるだろ う」
18、息子役、コディ・スミット=マクフィーについて―②
「ピッタリの少年を見つけられないのではと恐れていた。少年にこの小説を読ませるのは大変だ。ましてや、物語を理解し、感情に入り込み、演技するなんて途 方もないことだ。でもコディはやってのけたよ」
17、息子役、コディ・スミット=マクフィーについて―①
「セリフの合間には実に多くのことが起きるが、それに真実味があるのはコディが素晴らしい俳優だからだ。彼はどんなことであれ、今起きていることに適応 し、どんなミスにも適応できる。彼は小さなアクシデントも歓迎する。コディは常にそれらに適応できるため、特別なものが生まれるんだ」
16、この小説を映画化することの魅力について
「原作には不毛な大地や荒れた天気について鮮やかな描写があり、とても美しい。しかし私たちはそれを使っていない。それでも本からは得られないものがこの 映画では得ることができる。それは登場人物の環境への対処に関する細かい部分であり、何より男と少年の互いの関わり方だ」
15、“父と子”の関係について
「物語の大部分は父と子についてのものだ。彼らはいつも汚れた服を着て、あまり話をしない。天気は一様に悪い。しかも状況はとても残忍で過酷だ。しかし2 人の息が合えば感動的な旅に出ることができる。スピリチュアルな旅とでも言うべきものにね」
14、原作者コーマック・マッカーシーとの対談について―③
「「血と暴力の国」のように、非常に残酷なテーマを扱うこともある作家だが、とても心の優しい人だ。この小説は彼の息子に捧げられている」
13、原作者コーマック・マッカーシーとの対談について―②
「マッカーシーとの電話を切った後、彼に小説のことを何も聞かなかったことに気づいた。でもたぶんそれで良かったんだと思う」
12、原作者コーマック・マッカーシーとの対談について―①
「お互いの息子の話をしたよ。話している間に、私は何年も前の出来事など、以前は考えなかったことを考えた。自分の息子が登場人物の少年の年齢だった頃の ことなどをね」
11、映画のように全てを奪われてしまったら―②
「例えすべてを奪われたと思っていても、自分がそこに座って、それについて考え、文句を言っている事実があるということは、まだすべては失っておらず、自 分がまだそこにいるということを意味している。自分がそこからいなくなるまで、彼らはすべてを奪い取ってはいない」
10、映画のように全てを奪われてしまったら―①
「すべてを奪われたら、どう行動し、どう反応するのか。あるいは自分が持っていないものを持っている相手には、どう対応するのか。そして相手を恐れている ときは、自分は攻撃的に行動するだろうか?そして、可能なら、相手から物を奪うだろうか?自分を善人だと思っていたとしても、そうすることもあるだろう。 それらすべてのこと、あらゆる試練がこの物語の中で起きる。劇中の“火を運ぶこと”はまさにそのことを意味している」
9、子を持つ親として『ザ・ロード』に共感すること
「自分が死んだら、子供は世界に一人ぼっちになる。それほどの極限状態でも人々は自分の家族を気にかけている。どの母親も、どの父親も、子供についての感 じ方、心配事は同じだよ」
8、過去出演作との違い
「この映画では、もっと人間の本性を出していくことを要求されたよ」
7、役作りについて―②
「役に入り込むためには、感情的にも大きな挑戦になると分かっていた。旅に出なきゃいけない、と思っていたよ」
6、役作りについて―①
「子を持つ親として、自分の中にも主人公と同じ一面があるのが分かった。私はこの役を演じるにあたり、自分の内面を見る必要があったんだ」
5、出演を決めた理由について
「脚本を読み、父と子の、そして夫婦間の美しい愛の物語に惹かれて出演を決めた。世界中の誰でもこの物語を理解できると思う。食べ物も安全も、友達もシェ ルターもない状況に陥ったとき、自分は何ができ、何を考えるのか?ってね」
4、小説「ザ・ロード」について ― ④
「深い人間性と美しさがある。何もかも奪われたとき、命にどんな価値があるのか?ということを考えさせられる」
3、小説「ザ・ロード」について ― ③
「この物語は普遍的だ。子供を持つ親なら誰でもこのような感情、疑念、恐怖、不安を持っている。自分が死んだらどうなるのか?子供はこの先大丈夫なのか? しかし一番気になるのは、自分が傍にいなかったらどうなるのか、ということだ」
2、小説「ザ・ロード」について ― ②
「この本がこれほど多くの人に読まれた理由は、人々の琴線に触れるからだよ」