> クリストファー・ノーラン 監督の最新作「インセプション 」の来日会見が7月21日、都内のホテルで行われ、ノーラン監督は主演のレオナルド・ディカプリオ 、渡辺謙 、プロデューサーのエマ・トーマスとともに出席した。
同 作は、他人の夢に入り込み、頭の中に眠るアイデアを盗む犯罪チームのリーダー、コブ(ディカプリオ)が陥る危機を描くSFサスペンスアクション。世界6カ 国で行われた撮影は2009年6月に東京でスタートしただけに、ディカプリオは「脳を刺激するシュールかつ、ハリウッド的スペクタクルが詰まった作品を日 本の皆さんに持ってこられてエキサイティングだ。日本の方々は、新しい発想にオープンだからね」とご機嫌だ。
渡辺は、ディカプリオ扮するコブに強制的に仕事を依頼する巨大企業の重役サイトー役で、物語のカギを握る重要な役どころを演じた。仏パリ以外の5カ国での撮影に臨んだそうで、「クリス(トファー・ノーラン監督)からは、ジェームズ・ボンド み たいにやってほしいと言われ、イメージしづらかった。クリスは“007”の大ファンなのですが、残念ながら脚本にボンドガールは用意されていなかった」と ジョークを織り交ぜながら盛り上げた。それでも、「撮影の6割くらいは手持ちのカメラで撮った非常にアナログな作品。非常に緻密に計算して組み立てない と、半年では不可能なのです。文学的、科学的、建築学的にも、本当に頭の中はどうなっているんだろう? 彼は(レオナルド・)ダ・ヴィンチの再来ではない か」と語った。
ディカプリオも、「確固としたビジョンをもった監督。自信が一切揺るがなかったし、『メメント 』的な要素と『ダークナイト 』的な要素を合わせた、ハイブリッドな作品に仕上がった。これは、クリスの集大成的な作品になったのではないか」と最敬礼。ノーラン監督は、顔を赤らめ照れ笑いを浮かべていたが「『ダークナイト 』の大成功が、状況的に非常に助けられた。配給のワーナーが私を支持してくれたし、やはりあとは人間が重要だった。レオや謙さん、ほかの素晴らしいキャストが集まってくれたからこそ『これはいけるんじゃないか』と思えるようになったんだと思う」と出演者を称えていた。
「インセプション 」は、7月23日から全国で公開。