>25日、茨城県水戸市千波湖・桜田門オープンセット内特設ステージで、映画『桜田門外ノ変』完成報告会見が行われ、大沢たかお、渡辺裕之、渡部豪太、本田博太郎、佐藤純彌監督が登壇した。
物語前半のハイライトシーンである徳川幕府大老、井伊直弼の襲撃シーンが撮影された桜田門外周辺のオープンセットは、総工費約2億5,000万円 をかけて製作されたという大規模なもの。尾道で公開された佐藤監督の前作『男たちの大和/YAMATO』のセット同様、こちらの桜田門セットも観光スポッ トとして公開されており(有料)、現時点で入場者が13万人を突破したという。
今年の2月に行われた撮影時には、雪もちらついていたというが、この日は42度という真夏日。会場内には地元の人を中心に2,000人の観客が集 まった。壇上に現れた佐藤監督は「あのときは寒かったけど、今日は暑いというのが素直な感想です。この映画を支えてくれたのは、茨城や水戸の人たちでし た。伝え聞いたところによりますと、茨城県の知名度は全国で45位だったそうです。この映画がきっかけで水戸の知名度が少しでも上がるようお役に立ちたい と思います。2時間17分という、少し長い映画ですが、飽きることなく観られると思います」と感無量な表情でコメントしていた。
そしてこの日、登壇した渡辺、渡部、本田の3人が茨城県出身。茨城県が企画を立ち上げた作品ということで、3人とも「故郷に恩返しができた」と晴 れ晴れとした表情でコメント。中でも水戸烈士に軍資金を提供し、支援する袋田村大庄屋・桜岡源次衛門役を演じた本田は「台本を読むと、精神性がわが父に近 い人物だったんです。ですから、台本の隅に、『亡き父へ捧げる』と書いておきました。父も喜んでくれると思います」とコメントすると、会場からは大きな拍 手が起きていた。そして大沢も「改めて映像を観てみると、彼らが日本を思う強い気持ちが非常に強く伝わってきます。自分の中で足りないもの、埋まっていな いものに気付かされる作品になりました。そういった思いが一人でも多くの人に伝わるようになるといいと思います。公開はもう少し先ですが、よろしくお願い します」と暑さで汗をぬぐいながらも、作品の見どころを真摯(し)に語りかけていた。
本作は、幕末の歴史に大きな影響を与えた井伊直弼暗殺事件「桜田門外ノ変」に迫る本格時代劇。『男たちの大和/YAMATO』の佐藤純彌が、吉村 昭の同名小説を映画化。水戸藩の下級武士でありながら、世紀の大事件にかかわることになった大沢たかお演じる関鉄之介を主人公に、歴史に翻弄(ほんろう) される男たちと、その家族のドラマを描き出す。
映画『桜田門外ノ変』は10月16日より全国公開