> NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で、鳥取県にある境港市が「島根県」と表記された。間違いに気付いたNHKはその後の放送で該当シーンを修正した。

 ドラマは、漫画家・水木しげるさんの妻・武良布枝さんの自伝が原案となっており、劇中には、夫妻の出身地である鳥取や島根の地名が度々登場する。

■免許証本籍地で「島根県境港市」

 2010年8月6日8時に放送された回で、松下奈緒さん(25)演じる主人公の布美枝が、自動車の運転免許を取得して喜ぶシーンがあり、免許証のアップ が画面に映し出された。生年月日や交付日など、かなり細かい部分まで設定通りに作られている。現住所も水木プロのある「東京都調布市」だ。ただ、本籍地が 「島根県境港市」。同市は水木さんの出身市として劇中に何度も登場するが、島根ではなく鳥取にある。

 この誤記はネットで注目を集め、

  「シャレのつもりなら、かなり地元の気分を害すはず」
  「地域振興の役割も負ってるというのに」
  「現場の小道具さんやDの勘違いは目をつぶるとしても、試写をみたはずのデスクやPDの見過ごしは失礼やろ」

といった書き込みが寄せられた。「奥さんの実家が島根県の安来だからうっかり間違えちゃったんだよ」という推測も出ている。

 NHK広報部によると、放送終了後、担当者が間違いに気付き該当シーンを手直しした。連続テレビ小説は、同じ内容が一日に数回放送されるのだが、昼に放送された回では、免許証アップのカットは差し替えられている。視聴者からの指摘も数件あったという。

■境港市「細かいことはいいかなと」

 境港市は水木さんの出身地であることを全面に、「水木しげる記念館」の開設や、街中に妖怪の像を設置するなど、積極的に観光PRをしてきた。観光協会に よると、今回も「ゲゲゲの女房」放送に合わせ、夫妻の縁の地を記載した観光地図を作成して配布していた。放送開始後、観光客は増加傾向にあり、2010年 6月の観光客数は約16万人で09年の2.2倍。観光協会の担当者は、今回の誤記について、

  「まあドラマ自体が仕上がりもよく、面白いですし、細かいことはいいかなと。これだけ長期間、毎日放送されていますので、境港市には大きな宣伝になっています。8月は一番観光客が多い月、より多くの方に訪れて頂ければ」

と話している。