5人組グループ「嵐」が4日、東京・国立競技場4日間ライブのファイナル公演を行った。国立ライブ3年目の今年は、水600トンを使い、ステージに高さ 15メートルの滝をつくるなど、過去最大規模の演出で超満員の観客約7万人を沸かせた。また、メンバーの顔をプリントした旅客機「嵐JET」が日本航空か らデビューすることになった。

 夕焼け空のオープニング。ステージの中央に高さ15メートルの大きな滝が出現すると、水の幕の向こう側から5人が現れた。序盤の曲「Summer  Splash!」では、1周400メートルのトラック上に設置された噴水が一斉に噴き出した。音と水と光が交ざり合う日本最大級のライブショーのクライ マックスは「Monster」。1300発の花火が打ち上がり、ステージ、フィールド一面の水が噴き出した。国立の夜空に7万の大歓声がこだました。

 国立ライブは1年目の2日間、昨年の3日間から、史上初の4日間に進化。水の量や花火の数も増やし、約3時間半、42曲のステージを披露した。リーダー の大野智(29)は「滝が開いて、客席のみんながパーッと見えた時は鳥肌が立った」。ヒット曲中心に構成した過去2回と違い「今回は原点回帰。これまで やってきた嵐のコンサートを目指した」。過去のアルバム曲や6年ほど前まではおなじみだったダンスコーナーも復活させ、長年のファンも喜ばせた。

 デビュー11年目、国民的グループとなった今、これまでにない苦労もあった。多忙を極める中、初めて5人でリハーサルができたのは8月上旬。ライブ演出 を仕切る松本潤(27)は「結局、一緒にできたのは3、4日間だけだった」。櫻井翔(28)は「集まれたのも夜中から明け方。初日に幕が開いてだいぶホッ としました」。記録的な猛暑もメンバーを襲った。松本は「昨日(3日)は途中でぶっ倒れそうになった。危なかったので水をかぶりました」と明かした。

 ツアーはこの後、10月から来年1月にかけて京セラ(大阪)、札幌、東京、ナゴヤ、ヤフー(福岡)の5大ドームを回り、過去最多の86万人を動員する。 アイドルとしての頂点を極めた嵐が次に見据えるのは「規模的な大きさにはこだわってなくて、地方の会館やアリーナにも行ってみたい。そこでの空気感は今も 僕らの中に残ってるから」と松本。変わらぬペースで王道を歩んでいく。

 ◆「JAL嵐JET」5日から就航 ○…嵐の写真が機体にプリントされた日本航空の「JAL嵐JET」が5日から就航する。
「嵐JET」は、JA8982便(ボーイング777―200型)の1機。来年1月まで主に羽田発の札幌、伊丹、福岡便で使用される。さらに、国内線限 定でアルバム「僕の見ている風景」の機内販売も実施。嵐の新曲「movin’on」がJALのCMに起用されており、同社では「『歩み始める』という意味 と当社の『再生への道を前進する』という志がぴったりと合った」と説明した。プリントジェットといえば、ANAの「ポケモンジェット」が有名だが、ステー ジで機体の映像が流れると5人は「ピカチュウに並んだぜ! イェイ!」とハイタッチ。櫻井は「自分の顔の所から顔を出したら面白いよね」と笑っていた。

 ◆嵐国立ライブあらかると
▼水600トン(全長400メートル噴水、高さ15メートルの滝など)
▼ステージセット幅100メートル、高さ45メートル
▼リフターせり20機
▼サーチライト50機
▼花火1300発
▼風船5万個
▼スクリーン総面積3000平方メートル
▼移動階段11台
▼自走式ムービングステージ2機
▼リフトステージ2機

 ◆有名人多数来場 〇…客席には有名人も多数来場。松本と「花より男子」で共演した俳優の小栗旬(27)、櫻井とドラマ「特上カバチ!!」で共演した女 優の堀北真希(21)のほか、ジャニーズ事務所の仲間であるV6の三宅健(31)、生田斗真(25)も駆けつけ、生田は「嵐」コールを送っていた。また、 キャスターの小倉智昭(63)、杉崎美香(31)の姿もあった。