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>今もなお多くの映像作家に影響を与え続けるフランス映画界を代表するルイ・マル監督のデビュー作『死刑台のエレベーター』だが、そのニュープリント 版が10月9日(土)より公開される。それに伴い、1958年に公開された同作で主演を務め、一躍スターダムへと駆け上がり、今やフランスの国宝級女優と なったジャンヌ・モローが、パリの自宅で独占取材に応じた。


ルイ・マル監督については「とても感謝しています。アメリカなど、世界中で公開された『死刑台のエレベーター』がきっかけとなって、私も国際的なキャリアに踏み出すことができたのは彼のおかげです」と自身の女優人生の中で極めて重要な作品だったことを明かした。


他にもルイ・マル監督作品の『恋人たち』(59)、『ビバ!マリア』(66)、『鬼火』(77)に出演しているジャンヌ・モローは、「ルイ・マル監 督はとても要求が高い人だったと言えます。彼の仕事を本当に評価しています。4本の作品に出演しましたが、どの作品にも入り込むことができました。彼が ヌーヴェルヴァーグに弾みを与えたと、私は思っています」と称えた。


シアター・イメージフォーラムで『死刑台のエレベーター ニュープリント版』の公開に併せ、ルイ・マル監督の代表作『恋人たち』『地下鉄のザジ』(61)、『好奇心』(72)、『鬼火』など全8作品を日替わり上 映することについては、「彼にとっても、その才能にとっても、とても嬉しく思います」と喜んだ。


本作はジャズの帝王ことマイルス・デイビスが初めて映画音楽を手がけたことでも有名だが、「撮影現場で、マイルス・デイビスに会ったのは一度だけで す。それは録音の夜でした。夜11時に始まり、朝4時に終了したんです。そこで私がしたのは飲み物を作って出すことだけでした」と、マイルス・デイビスと のわずかな思い出を名残惜しんだ。


今年で女優生活62周年を迎えたジャンヌ・モローは今後の女優活動について、「オデオン座の2つの舞台に立ちます。1つは、フランスでとても有名な 歌手のエチエンヌ・ダオーと共に、今年11月に生誕100周年を迎える詩人で作家のジャン・ジュネにオマージュを捧げた舞台です。そしてイスラエルの映画 監督アモス・ギタイの母親にオマージュを捧げた舞台にも立ちます。2011年に製作される(アモス・)ギタイ監督の新作映画にも出演します。またこの冬に は、日本でもとても有名なマルグリット・デュラスを演じた映画作品『デュラス 愛の最終章』(02)などで今までに何度も一緒に仕事をしたことのあるジョゼ・ダヤン監督の新作に出演します」と話した。


フランス映画界の頂点に立つ、齢82歳の大女優ジャンヌ・モローはまだまだ躍進し続けていく。


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