> 「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげるさんが会長を務める「世界妖怪協会」が認定する「怪遺産」に、カッパや座敷わらしなどの伝承が残る岩手県遠野市が全国で3か所目に選ばれ、26日、同市民センターで認定式が行われた。

 選考理由は、今年発刊100周年を迎えた「遠野物語」の舞台として妖怪を語り継いできたこと。式典には、作家で同協会員の京極夏彦さんらが出席し、「怪 遺産としては100点満点で、賞を受け取ってもらえるのはうれしい」と述べ、「百鬼夜行絵巻」を描いた記念の盾と登録認定証を本田敏秋市長へ贈呈した。

 式典後の記者会見では作家の荒俣宏さんが「妖怪で街おこしをする土地は多いが、遠野のように長い年月語り継いできた場所はない。熊野や高野山に匹敵する 文化」と評価。本田市長は「妖怪のエネルギーを感じながら、世界遺産を目指すようなまちづくりに取り組んでいきたい」と話した。怪遺産は妖怪を題材に執筆 する小説家や漫画家らで作る同協会などが2007年に創設。第1号に水木さんのふるさとの鳥取県境港市を、08年に「子泣きじじい」などのふるさとの徳島 県三好市山城町を共に認定している。