全米を騒然とさせたプレイム事件が、ショーン・ペンとナオミ・ワッツで映画化!監督ダグ・リーマンを直撃!

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

> 映画『Mr.&Mrs.スミス』『ボーン・アイデンティティー』のダグ・リーマン監督が、話題の新作映画『フェア・ゲーム / Fair Game』(原題)について語ってくれた。

 同作は、イラク戦争中、中東問題の専門家であるジョセフ・ウィルソン(ショーン・ペン)が、大量破壊兵器を保持しているという米国政府の主張に反 対していた際に、彼の妻バレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)がCIAの秘密工作員であることをメディアに暴露され、妻のために政府を敵に回して戦うこと を決意することになるというスリラー作品。2003年に実際に起きたプレイム事件をもとに映画化している。


 映画の製作過程で、どれだけ事実に忠実であることが重要だったのだろうか? その理由には、少しの誤報や曖昧な演出は、この事件にかかわったブッ シュ政権の次席補佐官のカール・ローブなどに訴えられる可能性もあるからだ。この点について「まず、世間に知られている事実を通して伝えることが重要だっ た。そのため、法廷の書類や証言を確かめながら忠実に描くことになった。実際にはそれらの資料で十分だった。なぜなら僕らは、この事件で有罪判決を受けた 人物や、司法省から調査を受けた人物だけを中心に製作しているからだ。ただ、もしカール・ローブが僕らを訴えてきたら、きっと一番良いこの映画の宣伝がで きたかもしれないね!(笑)」とジョークで語ってくれたダグ監督は父親は弁護士であるため、遺伝的に事実にこだわったことも教えてくれた。


 バレリー・プレイムについて「彼女は、Non-Official Cover(NOC)と呼ばれる秘密工作員で、CIAの中で最も秘密重視のエージェントだ。彼らのアイデンティティーを隠すために1億近くのお金が費やさ れることもあるそうだ。彼女の場合は、ビジネス・スクールにも通わせていたそうだ。それと彼ら(NOCのエージェント)は、普段決して日の目を見ることが ない。今回のように、世間が知るようなこともない。彼らはヒーロー的な存在だが、ものすごくプライベートな人たちでもある」と述べた後に、彼らが国や人を 守っていることにも感謝していた。


 この映画の魅力について「政治を描いた作品が、クラシック作品になるような評価を受けるには、政治以上の普遍とされる真実が必要だと思うんだ。そ れは、勇気のあるこの映画の二人の人物が、ほとんどすべてを犠牲にして、彼らの信念を貫こうとすることにある。きっと、それは100年以上経っても、鑑賞 できる作品であるはずだ」と期待させる言葉を残してくれた。


 ダグ監督は、主演のナオミ・ワッツとは知り合いで、彼女に直接脚本を送り、最初の10ページを読んでくれと頼んだそうで、その数日後に彼女の出演 が決まったそうだ。ちなみに主演のショーン・ペンも、ナオミ・ワッツが直接ショーンに脚本を送り、ほとんどエージェントを介さずに、二人のキャストが決 まったことも話してくれた。映画は、緊張感が溢れる見事なスリラー作品に仕上がっている。