>すっかり秋の風物詩となっている東京国際映画祭だが、その中でも毎年話題を集めている部門が“アジアの風”。なんと今年は、アジアが生んだ世界的 ヒーローであるブルース・リーの生誕70周年を記念し、“生誕70年記念 ブルース・リーから未来へ”と題した特集が実施されることになった。
上映作品には、彼の代表作である『燃えよドラゴン』(73)や『死亡遊戯』(78)をはじめ、その影響を受けまくった者たちが作り上げた、オマー ジュ全開な作品も勢ぞろい! まずはブルース・リーの師匠であり、カンフーの達人でもある実在の武術家イップ・マンにドニー・イェンが扮し、ありえないほどのアクロバティックアクショ ンを繰り広げる『イップ・マン 序章』(08)、『イップ・マン 葉問』が2作続けて上映される。続いて、母親からブルース・リーが父親だと言われ続けたうえに、彼女からカンフーを叩き込まれた青年が“父の墓”があるア メリカを目指すという、どこかトンデモ系の匂いがプンプンと漂うベトナム映画『伝説の男』(08)の特別上映も。
そして、それらを上回る大怪作として注目されているのが『ギャランツ シニアドラゴン龍虎激闘』だ。30年間も昏睡状態に陥っていたカンフーの師匠が突如として覚醒し、自分の道場を奪おうと企む悪徳地主を相手に、ジイさんと は思えぬバトルを展開する。また『ドラゴン怒りの鉄拳』(71)の劇中曲を彷彿とさせるBGMや、あえて映像を退色&傷だらけに加工して当時の雰囲気を醸 し出すなど、“わかっている”感じもたまらない。
大真面目なものから、ちょっとアレなものまで様々だが、どれもこれもブルース・リーへの惜しみない賛辞を捧げている作品であることは間違いなし。な らば見る側である我々も、黄色いトラックスーツに身を包み、「アチョー!」と“怪鳥音”を叫びながら映画祭に乗り込むのが礼儀かも(!?)