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>第23回東京国際映画祭 の日本映画・ある視点部門に出品された「442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」の会見と舞台挨拶が10月27日、会場の東京・六本木ヒルズで行われ、9月にアメリカで自動車事故を起こした米ロサンゼルス在住のすずきじゅんいち 監督、妻で監督補佐として同作に携わった女優の榊原るみ 、音楽の喜多郎 らが出席した。


会 見冒頭、榊原はすずき監督の代理で、9月29日に起こした自動車事故について説明。「この映画に出てもらった元兵士たちの同窓会に出席するため、ラスベガ スに向かう途中でした。車の異変を感じた彼がハンドルを切ってしまい、ガードレールにぶつかり2回転半横転。自分の左手は血だらけで、逆さまになった彼の 頭からは多量の血が出ていて死んでしまったと思ったが、車から引っ張り出すときに息があったのでホッとした」と振り返った。


事故後、ICU(集中治療室)に入り「3日間の記憶がすっぽり抜け落ちている」というすずき監督は、あばら骨4本の骨折、肺打撲という重傷を負ったが、奇跡的に回復。同映画祭への参加を許可されての帰国となった。


同 作は第2次世界大戦時に日系人のみで構成されたアメリカ陸軍442連隊を題材にしたドキュメンタリー。当時、ドイツ軍の支配から解放したフランスの町を 65年ぶりに再訪し歓迎される元兵士たちの現在の姿を追いながら、今まで語られることのなかった苦悩や葛藤(かっとう)に迫っていく。


製 作理由について、すずき監督は「ロサンゼルスに移り住んでから9年経ち、客観的に日本という国を見ることができるようになった。その中で日系人部隊の話を 聞き興味を持った」と説明。そして、「こういった日系人がいるということを日本の観客に見てもらうことで、日本人自身がいろんなことを再発見するのではな いかと思う」とアピールした。


喜多郎 は、第2次世界大戦中、強制収容所の日系米人を撮り続けた日系人カメラマン宮武東洋の生涯を描いたすずき監督の前作「東洋宮武が覗いた時代 」に続いてのコラボレーションとなった。「『東洋宮武』は偶像としてのアーティスト東洋宮武を描いていたが、今回の映画は、ありのままの元兵士の人生を描いている。見ていて声が詰まるくらいのものがあった」と絶賛した。


すずき監督は、「東洋宮武が覗いた時代 」「442 日系部隊」に続く、日系人ドキュメンタリー3部作の最後として、日本の戦後復興に尽力した諜報・通訳の特別部隊ミリタリー・インテリジェンス・サービスを描く作品を来春から製作することも明かした。


「442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」は11月13日より全国順次ロードショー。



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