シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

> アメリカの人気テレビドラマ「トゥルーブラッド」で注目を浴びているライアン・クワンテンが、主役を演じた新作映画 『レッド・ヒル / Red Hill』(原題)について語った。同作は、警官シェーン(ライアン・クワンテン)が妻アリスと共に小さな田舎町「レッド・ヒル」に引っ越してくるが、初 日勤務時に凶悪殺人犯ジミー(トム・E・ルイス)が脱獄し、警官たちがパニック陥るというアクション・スリラーで、広大なオーストラリアを背景に描かれ た、西部劇的な要素もある作品だ。

 「まず、ウエスタンの要素があることに惹かれたんだ。僕は、かなりのウエスタン作品のファンで、自分のDVDコレクションの半分は、ジョン・ウェ イン、クリント・イーストウッド、そしてセルジオ・レオーネ監督作品で埋まっているほどなんだ。僕の演じたキャラクターもシェーン・クーパーという名で、 映画『シェーン』と俳優ゲイリー・クーパーを合わせているんだよ。このキャラクターは、過去に間違いを起こしているうえに、普通ウェスタンのキャラク ター(主人公)は、どんな環境に置かれても乗り越えようとするが、このシェーンは、どうなるか全く分からないんだ。それに、映画前半でシェーンがすぐに決 断したことが、後になって後悔することになるという設定も気に入ったんだ」と出演経緯について語った。


 ライアンは、もともとオーストラリア出身の俳優だったが、今回久し振りに母国で撮影することになったそうだ。「この映画で約8年ぶりにオーストラ リアで撮影することになった。どこか不思議な感じだったね。その時まで、『アクション!』の声がかかったらアメリカ英語のアクセントに変えていたからね。 ただ、今回はオーストラリアのアクセントに戻す余裕もないほど早い撮影になったんだ。実は、『トゥルーブラッド』の撮影をルイジアナ州で終えた後すぐに、 飛行機で13時間かけてシドニーに移動し、それから2時間かけてメルボルンに着き、ようやく最後の目的地ビクトリア州のオメオに7時間もかけてドライブを した。そして着いたらすぐに監督のパトリックに会って、いちばん難しかった感情的なシチュエーションをこなす雨のシーンを撮ったんだ」と述べたが、すぐに オーストラリアの環境に合わせることができたそうだ。


 ライアンにとっての人生のターニング・ポイントは「8年前にテレビ映画『ザ・ジャンクション・ボーイズ / The Junction Boys 』(日本未公開)というフットボールを描いた映画の宣伝でニューヨーク来たときに、5日間滞在する予定で、お金も5日間分ギリギリしか持っていなかったん だ。ところが滞在中に、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーから電話があり、良い評価を受けているから、もう少し滞在してみたらどうか?と言われた んだ。お金がないので、(母国に)帰る選択しかないはずだけど、そのとき僕は、これが人生のターニング・ポイントだと思ったんだよ。だから、ホテルのマ ネージャーを呼んで、周りに人が居ないところで彼に、お金は将来絶対返すから、3か月間物置部屋でも何でも良いから、無料で泊めさせてくれと頼んだんだ」 と衝撃の話を告白! だが、この直談判に意外にもOKが出て、そこをベースにライアンは一挙にニューヨークで活動することになったそうだ。ちなみに、ライ アンはそれまでオーストラリアのTVシリーズ「ホーム・アンド・アウェイ」で活躍していた。


 「トゥルーブラッド」について「この番組は僕の人生を変えてくれた。このような機会を与えられたことを本当に幸運に思っているよ。この番組のおか げで、最近は興味深い映画作品の脚本が送られてくるんだ! 新シーズンに関しては、まだ脚本が送られてきていないから何も言えないが、おそらくキャラク ターと血のりがもっと多くなると思うよ(笑)」と教えてくれた。


 映画は、凶悪殺人犯ジミー役を演じるトム・E・ルイスの個性が強く、まるで80年代のチャールズ・ブロンソン作品を彷彿(ほうふつ)とさせる。そ して、そのジミー役と相反するシェーン役のライアンも魅力的なキャラクターとして描かれ、見事にウエスタンの要素とマッチした秀作に仕上がっている。


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