シネマトゥデイ映画ニュースより(以下一部抜粋)
> J・K・ローリングが手掛けた世界的ベストセラー・ファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの映画化が遂 に最終章。その2部に分かれた最終章『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』について、シリーズを全作プロデュースしてきたデヴィッド・ハイマンが語った。
同作は、17歳に成長し、ホグワーツ魔法魔術学校の最終学年の7年生となったハリー(ダニエル・ラドクリフ)が、ヴォルデモートの復活により、魔 法界に暗雲が立ちこめていた状態を打破することを決意する。そこでハリーは、ヴォルデモートの打倒のカギとなる”分霊箱”を探すためにロン(ルパート・グ リント)とハーマイオニー(エマ・ワトソン)と共に旅に出るが、道中で3人は遂に仲間割れをしてしまう。監督は5作目と6作目に引き続き、デヴィッド・ イェーツが担当している。
これまで成功してきた映画シリーズを思い浮かべると、アメリカの映画作品が多いが、実際にはジェームズ・ボンド作品も含め、イギリスから生まれて いる作品が結構あることについて「確かにそうだね。『ロード・オブ・ザ・リング』の原作者J・R・R・トールキンも英国出身の作家で、我々が製作したこの 『ハリー・ポッター』シリーズも英国作家のJ・K・ローリングだ」と同意してくれた後に「実は、このシリーズの製作前に、この作品をアメリカの生徒に置き 換えて、アメリカで撮らないかという依頼を受けたことがあったんだ。だが、このイギリスの要素が、この映画と原作のアピールの1つだと思っていたから、もちろん断ったよ!」と明かしてくれたこの映画が、アメリカで撮られていたら、このような成功はありえなかったかもしれない。
5作、6作から引き続き最終章まで、デヴィッド・イェーツ監督を雇ったのは「実は、これまでかかわってきたすべての監督に、次回作も監督してくれ
ないか?と依頼してきたんだよ。1、2作目を監督したクリス・コロンバスには、3作目も依頼していたし、3作目を監督したアルフォンソ・キュアロンには、
4作目の監督を依頼していたが、結局、マイク・ニューウェル監督になった。それぞれの監督達が、『ハリー・ポッター』シリーズでメガホンを撮った後は、同
シリーズとは離れた作品を制作したくなって依頼を断ってきたが、デヴィッドだけが引き続きメガホンを撮ってくれたんだ」と意図的に監督を変えてきたわけで
はないことを明かした。
さらに「彼(デヴィッド)を監督として雇ったのは、僕がこの『ハリー・ポッター』シリーズにかかわった理由と似ている。デヴィッドは、マジックやファンタ ジーの要素よりも、人間性を重視したキャラクターの観点から作品のアプローチをするタイプの人間なんだ。そこが決め手になったんだよ」と語った。
最終章である第7弾を2部作に分けたのは「『ハリー・ポッター』シリーズのすべての脚本を手掛けてきたスティーヴン・クローヴスが、最終章を脚色 する前に僕と相談したときは、1作だけにまとめるつもりだったんだ。ところが、彼が実際に執筆し始めたときに、1作だけでは原作を忠実に描くことはできな いという結論に達したんだ。それと、すべてのこれまでのストーリーがこの最終章に関連してきているため、(最終章の)ある箇所をカットしてしまうと、全く 理解できなくなってしまうんだよ」とあくまで、原作に忠実な脚本を仕上げることになったようだ。
まだPart 2の編集が残っているが、現時点で撮影をすべて終えたことについて「Part 2の編集を終えたら、相当寂しくなるだろうね。僕は撮影の準備段階、撮影段階、編集段階の状態を、この12年間続けてきたからね。映画を制作すると、撮影 日数が30日だろうが60日だろうが、スタッフや俳優たちとすごく親しくなれるんだ。このシリーズは、スタッフや俳優があまり変わらずに、ほとんど同じ人 たちで制作してきた。来年すべてが終わったときに、自分の心にぽっかりと穴があいた状態になるかもしれないね」と寂しげに語った。
デヴィッドは『ハリー・ポッター』シリーズの製作中に、映画『縞模様のパジャマの少年』や映画『アイ・アム・レジェント』などの製作も手掛けてき た。同シリーズの製作が終わると、再び格闘しながら独立系の映画を制作することになるかもしれないが、同シリーズの経験を生かし、また人々が興味を持って くれる作品を製作していきたいと抱負を残した。