<ノルウェイの森>ビートルズ版権で製作費は通常の5倍 会見でプロデューサー明かす

まんたんウェブ

>村上春樹さんのベストセラー小説が原作の映画「ノルウェイの森」のトラン・アン・ユン監督はじめ製作陣と出演者らが26日、日本外国特派員協会(東京都千 代田区)で開かれた会見に出席。製作費について小川真司プロデューサーは、「ビートルズの版権なども含め、通常の日本映画の5倍はかけた」と明かし、監督 は「私はお金のことはわかりませんが、この映画が成功したらトランで成功したといわれ、だめだったら村上さんでも成功しなかったと言われるんでしょう」と ジョークで返し、「普遍的な愛のストーリーとしてプロモーションをしたい」と話した。

 原作小説「ノルウェイの森」は87年に出版され、現在までに国内発行1079万部を突破、36カ国の言語に翻訳された村上さんの世界的ベストセラー。親 友を自殺で失った主人公ワタナベ(松山ケンイチさん)が、直子(菊地凛子さん)と緑(水原希子さん)の2人の女性と出会い、再生していく姿を描いた。9月 に行われたベネチア国際映画祭でコンペティション部門にノミネートされた。

 会見は同協会の要請で開かれ、トラン監督や小川プロデューサーのほか、菊地さん、水原さんらも出席。今回演じた直子役を「どうしてもほしかった役」と話 した菊地さんは、小説で直子が井戸について言及する場面を演じたビデオテープをトラン監督に渡したことでオーディションに至ったと明かし、「作品は18歳 の直子と同じ年の時に読んでいて、オーディションではその時の気持ちが重なっていい感じだった」と振り返った。トラン監督も「菊地さんが一生懸命この役を やりたいと言ってくださったことに感謝している。私にとっては重要な選択になって、その後は彼女に合わせて他の俳優を選びました。テープの彼女の演技は洗 練されていて、壊れそうな性格が非常に出ていて、これ以外の選択はないと思いました」と絶賛した。

 本作が初の映画出演で初演技だったいう水原さんは、「いろんな壁を捨てて、すごく成長できた作品です。初めてのことでこんなビッグなものに出られて緊張 しています」と話した。トラン監督は「女優としての内面の深さを出すため、彼女には内緒で、彼女のために何度も同じシーンを撮ったんです」と演技指導につ いても明かした。

 映画は12月11日から全国で公開予定。