>木村拓哉主演で往年のSFアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を実写映画化した『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(12月1日公開) 。本作で古代進の盟友・島大介役を演じた緒形直人を直撃! リアルな宇宙戦艦ヤマトのセットで体験した撮影エピソードを語ってもらった。
『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督の指揮下、最強のキャストとスタッフで臨み、世界配信する意欲作として邦題が付けられた『SPACE BATTLESHIP ヤマト』。放射能に汚染され、滅亡の危機に瀕した地球を救うべく、宇宙戦艦ヤマトが放射能除去装置のあるイスカンダル星へと旅立つ。まず、オファーをも らった時、緒形はこう思ったという。「男心をくすぐる理想的な作品『ヤマト』を実写化するってことで、自分が出る出ないに関わらず、その映画を見てみたい と思いました」。
彼が演じた島大介は、ヤマトの航行を担う航海班の班長だ。初めて脚本を読んだ時はかなり興奮したという。「『宇宙戦艦ヤマト、発進!』というセリフを見て、これはヤバイぞ!と。現場でもちょっと力が入りすぎて『もう少し落として』って言われました(苦笑)」。
リアルな撮影セットも役作りにひと役買った。「第一艦橋があまりにも良くできあがっていたので、いよいよ港を出るんだという感じでワクワクしまし た。島の操縦桿もちゃんと動いたし、画面では島ならではの映像が出たし。山崎監督の気配りも演出も素晴らしくて。すべて頭の中でできあがっていると思える くらいに的確で良い舵取りでした」。
劇中の島は、ひとり息子を地球に残してヤマトに乗り込むという設定で、自身も息子を持つ父親だから、非常に感情移入できたと語る。「守る者がしっか り見えていましたから。足下には、息子から『頑張ってね』と描かれた島の似顔絵が貼ってあって。美術さんが用意してくれたんですが、古代役の拓哉がそれを 見て『俺、芝居、足しますよ』とお互いに目配せしてやったりして。そこは実際、映像にはなっていませんが、そういうものを撮ったからこそ、ふたりの信頼関 係がきちっと描かれたと思います」。
完成した映画を見た彼の息子さんは「かっこ良かった!」と言ってくれたそうだ。緒形直人の役者としての演技力に加え、彼の父親像や人生経験が島役に反映されたのではないかと思う。
木村についてはさらに「初めてご一緒させてもらったけど、本当に素晴らしい役者だなと。作品を少しでも良くしようという向上心が誰よりも強かったで す」と褒め称える。なかでも、古代と島がワープをするシーンのやりとりが印象的だったという。「座標の位置がはっきり決まっていないのに古代が勝手にワー プしようとするシーンがあって。でも、島は船への愛情が強く、航海班班長として危険を誰よりも察知していたので葛藤するんです。それで1つのレバーを握り 合い、お互い目を見て心で会話をしながらワープをすることにしたのは、拓哉のアイデアでした。でも、そういうやりとりを監督や他の方々とみんなでやれたの で、非常に楽しい映画作りでしたね」。