>時代劇映画史上初の日米同時公開を予定していた役所広司、佐藤浩市共演の映画『最後の忠臣蔵』が米国公開前の審査によって、同国内での公開を延期せざるを得なくなったと、ワーナー・ブラザースが発表した。
ハリウッド・プレミア試写にて大好評を得たことで、アメリカのワーナー・マイカル代表取締役社長から米配給のオファーを受けていた本作。その後米 国内での公開に必要な、日本の「映倫」にあたるMPAA(モーション・ピクチャー・アソシエーション・オブ・アメリカ)によるレイティング(日本の映倫審 査のようなもの)と、映画の題名に対して他社からの異議がないかを確認する「タイトル・クリアランス」の審査を受けた。
レイティングの取得に問題はなかったのだが、米国タイトルとして用意した『THE LAST RONIN』という題名について、ハリウッドの映画会社1社から「プロテスト(異議)」の手が挙がった。同社は日米同時公開実現のために、不本意ながら 『SAIGO NO CHUSHINGURA』という日本語タイトルをアルファベットで表記したものを用意し再度申請。しかし、今度は日本の映画会社から異議が出てしまったと いう。同社は、これ以上審査を通すためだけに安易な英語タイトルへの変更をするわけにはいかないとして、12月17日(日本時間18日)の米国公開延期を 決定した。
現在ワーナー・ブラザースは「プロテスト」申請をした2社に対して、英語題名の趣旨と背景を説明し、異議の取り下げを要請しており、来年1月中旬の米国公開を目指しているという。
時代劇映画初の日米同時公開が実現せず、さらに授賞式前年の1年間にアメリカ国内で公開された作品が対象になる、アカデミー賞の選考からも外れて しまうことになった本作。非常に残念な出来事だが、内容が問題になったのではない以上、後は本作が現地の観客から絶賛の声で迎えられることを期待したい。
映画『最後の忠臣蔵』は、日本では予定通り12月18日に全国公開