シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

25日、テアトル新宿にて、映画『たまの映画』の初日舞台あいさつが行われ、元たまでパーカッション&ボーカルを担当していた石川浩司と監督の今泉力哉が登壇。石川はクリスマスの夜にふさわしい人間愛をテーマにしたオリジナルソングを披露した。

映画『たまの映画』場面写真

 独特のルックスと不思議なメロディライン……。日本中がバブル絶頂期で浮かれていた時代に、突如としてスターダムに押し上げられたバンド「たま」。メ ジャーデビューからNHK紅白出場、CM出演と疾風のごとく駆け抜けた彼らだったが、この時期の映画化に「今日、この日を迎えるまで本気でドッキリかと思 いましたよ。当時だったらまだしも、バンドを解散して7年もたって、突然映画化したい……って言われましたからね」と石川はおどける。すかさず監督の今泉 から「まだわからないよ」と鋭い突っ込みが入ると「そっか、幕が開いたらマルコシアス・バンプの映画になっているかも」と当時「いか天」でしのぎを削った ライバルの名を出し、会場の爆笑を誘った。

 今回、たまを題材にしたドキュメンタリーを撮ることになった監督の今泉だが、「実はたまというバンドにそれほど強い思い入れがあったわけじゃなかったの で、最初は本当に自分が撮っていいのかって思ったんです」と心情を吐露。しかし「だからこそ、違った視点からアプローチできるかもしれないと思ったし、ラ イブを見たり、メンバーの人柄に触れるにつれ、どんどん魅力を感じるようになり、最終的にはぜひやらせてほしいって言っていました」と笑顔で語る。

 また、舞台あいさつ中盤では、石川が楽器を手に持ち、即興の弾き語りで「人間愛」をテーマにしたオリジナルソングを披露。石川の持ち味である、あまりにも個性的な歌詞と歌声に、会場の観客は酔いしれ、クリスマスの夜にふさわしい素敵なプレゼントとなった。

 本作は、TBS系音楽番組「三宅裕司のいかすバンド天国」で3代目グランドイカ天キングに輝き、メジャーデビューしたバンド「たま」の結成から解散まで の軌跡と、現在を追った音楽ドキュメンタリー。当時社会現象となった彼らの存在意義や、守り続けてきた音楽など、「たま」という時代の寵児(ちょうじ)と なったバンドやメンバーの音楽観を丁寧に描いた秀作だ。

映画『たまの映画』はテアトル新宿にてレイトショー公開中


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