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 歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られ重傷を負った事件で、海老蔵と傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(27)との間で示談交渉が行われていることが26日、分かった。

 既に示談は成立したとみられる。この動きに合わせるように警視庁も捜査を終了、一両日中に伊藤容疑者を釈放するとみられる。先月25日未明に事件が起きてから1カ月。越年必至とみられた中、年内で急転決着する。

 世間を驚かせた海老蔵殴打事件。その幕引きも電撃的な驚きの決着となった。

 本紙の取材では、伊藤容疑者側と全面対決の方向で臨んでいた海老蔵側が「示談交渉もやむなし」と方針を急転させたのは22日ごろ。代理人の深澤直之弁護士が、海老蔵の退院(7日)後初めて自宅を訪れた時だ。

 捜査関係者によれば、海老蔵への聴取は「2日に1回のペース」で続けてきたが、殴打直前の相手側とのやり取りや複数から暴行されたとする内容について「酔っていてよく思い出せない」との証言が続いていた。

 そこで、深澤弁護士が直接本人に確認したが、泥酔時のあいまいな記憶がよみがえる可能性は見られなかった。一方で、伊藤容疑者が自らの暴行をすぐに認め、取り調べに素直に応じていることを考慮。早期決着を望む周囲の声もあり、被害届は取り下げないまま示談交渉に応じた。

 代理人同士の話し合いにより、26日までに示談は成立したとみられる。少なくとも双方合意し、最終的な詰めの作業だけ残っている状況。伊藤容疑者もこれ に呼応するように「海老蔵さんは殴っていない」と供述し始め、海老蔵が同席していた元リーダー(29)を殴ったとされる疑惑を否定。元リーダーも被害届を 出さない姿勢を明らかにしている。

 示談条件についての詳細は不明だが、あくまで長期化回避のための双方の“落としどころ”だけに、金銭のやり取りはないとみられる。ただ、伊藤容疑者が海 老蔵に謝罪した上でさらに元リーダーへの暴行疑惑も否定した態度を考慮し、減刑を求める上申書を海老蔵が出す可能性はある。

 示談決着を受け、警視庁も捜査を終了。24日の聴取後、捜査員も姿を見せていない。警視庁では伊藤容疑者を一両日中にも釈放するとみられる。最終的な刑事処分は略式起訴され、罰金刑になる可能性が高そうだ。

 海老蔵の父、市川団十郎(64)は21日の会見で「示談交渉はしていない」と明言していたが、23日夜に海老蔵夫妻と外出して直接本人の意向を確認し、 納得したようだ。事件後「また危害を加えられないか怖い」と心配していた海老蔵は示談決着したことで、23日以降は連日外出。26日も今後の打ち合わせの ためか、団十郎運転の車で妻の麻央(28)と3人で出掛けた。