映画.comより(以下一部抜粋)

>2010年の日本映画界は、興行収入155億円を突破した「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」に代表される3D映画が業界全体を席巻する形でけん引。そのなかにあって、邦画大手の東宝とフジテレビがタッグを組んだ作品の存在を無視するわけにはいかない。

「海猿」完結編、ついに動員400万人&興収60億円突破

 今年、フジテレビが製作し東宝が配給を手がけた作品で、興行収入10億円以上を記録した作品は6作品。興収80億2000万円を稼いだ「THE LAST MESSAGE 海猿」を筆頭に、織田裕二主演作「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」(興収73億1000万円)、上野樹里主演作「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」(同41億円)、「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」(同37億2000万円)、「SP 野望篇」(36億円/公開中のため見込み)、「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」(23億6000万円)と続く。

 東宝にとって今年の稼ぎ頭は興収92億5000万円の「借りぐらしのアリエッティ」。しかし、6作合計で興収291億円を突破したことで、同社のラインナップに厚みを持たせていることは間違いない。

 この流れは、11年もより強固なものとなって継続される。草なぎ剛&竹内結子主演作「僕と妻の1778の物語」に始まり、「SP 革命篇」、万城目学の人気小説を映画化する「プリンセス トヨトミ」、織田裕二主演作「映画版 外交官・黒田康作(仮題)」、佐藤隆太主演作「ロック わんこのしま」、篠原涼子主演作「アンフェア2(仮)」、三谷幸喜監督作「ステキな金縛り」と7作品におよぶ。

 さらに今年は、東宝が製作プロダクションを手がける「告白」と「悪人」が賞レースを独占。興収38億5000万円を記録した松たか子主演の「告白」は、第83回アカデミー賞最優秀外国語映画部門へ日本代表としてエントリーされることが決まっている。興収19億8000万円の妻夫木聡主演作「悪人」は、公開直前に共演の深津絵里が第34回モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を戴冠。作品の評価はもともと高かったが、この受賞が認知度を全国区に広めた。

 現在の映画業界が、少なからずリスクを回避できる製作委員会システムが主流なのは否定しようがない。それだけに、自社製作の作品が興行的成功を収めることは配給会社にとって何よりも“力”になる。来年製作を手がける、小栗旬主演作「岳-ガク-」、西田敏行主演作「星守る犬」、櫻井翔と宮崎あおいの共演作「神様のカルテ」、3DCGアニメ「friends もののけ島のナキ」の4本が、どのような興行を展開するのか目が離せない。




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