シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

>現地時間1月25日に行われた、第83回アカデミー賞ノミネーション作品の発表を終えたハリウッドでは、明暗が分かれたその結果に対してあらゆる議論が飛び交い、けんけんごうごうの騒ぎとなっている。

最多ノミネートを獲得した映画『英国王のスピーチ』場面写真

 現地のテレビ番組が、今年のアカデミー賞作品賞候補作について道行く人たちへ尋ねた街頭インタビューでは、映画『アバター』や『カールじいさんの空飛ぶ家』などが名を連ねていた昨年と比べ、今年のノミネート作品の認識度がかなり低かった。ノミネート作品の半分以上、特に映画『ウィンターズ・ボーン』『キッズ・オールライト』『ザ・ファイター』『ブラック・スワン』を「観ていない」と答えた人たちが非常に多かったのだ。また、最多12部門でノミネートされた『英国王のスピーチ』についてさえ、「まだ観ていない」はまだしも、「聞いたこともない」と答える人もおり、一般の人々にはインパクトの薄いノミネーション発表だったようである。

 そのノミネート入りに関しても、当然ながら勝者と敗者が出るのは仕方のないことだが、監督賞に映画『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督がノミネートされなかったこと、『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーアが助演女優賞候補に選ばれなかったこと、そして『ゲット・ロウ(原題)/ Get Low』のロバート・デュヴァルが主演男優賞候補を逃したことに関しては、業界内からも驚きと不満の声が上がっている。

 特に『キッズ・オールライト』に参加したプロデューサーたち(作品賞)、アネット・ベニング(主演女優賞)、マーク・ラファロ(助演男優賞)、スチュアート・ブラムバーグ(脚本賞)らがオスカー候補に入っているのに、同じく奮闘したジュリアンだけがノミネーションを逃したことへの疑問の声は多いようだ。作品の関係者からも憤りの声が挙がっていて、脚本のスチュアートはロサンゼルスタイムズ紙に「ジュリアンは、映画化が決まった5年前からこのインディーズ作品を援助し続け、最終的にアネットが出演を承諾する要因にもなった。内容もジュリアンの好演なしには語れないのに……」と述べている。

 だが、惜しくもノミネーションを逃して嘆いているのはジュリアンだけではない。映画『ザ・ファイター』に主演したマーク・ウォールバーグや、『ソーシャル・ネットワーク』でFacebookの共同創設者を熱演して評判の高かった、次期スパイダーマンの英国俳優アンドリュー・ガーフィールド、『ザ・タウン』で監督・脚本・主演の3役を務めたベン・アフレック、ディズニーの新作アニメ『塔の上のラプンツェル』なども、候補入りを有力視されていたが、涙を飲んだ。

 食うか食われるかの人気争いが繰り広げられ、政界顔負けの根回しが行われても、何が起こるのかわからないのが映画業界。期待を裏切る結果を見ることになるのも、この業界の面白い部分だ。

 アカデミー賞本選は2月27日(現地時間)アカデミー本部サミュエル・ゴールドウイン劇場にて行われる。日本では28日午前9:30よりWOWOWにて授賞式が放映される。


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