>アカデミー賞で最多12部門にノミネートされ、土壇場の番狂わせと報道されている『英国王のスピーチ』(2月26日公開)だが、ジョージ6世役で主演男優賞の最有力候補と目されているコリン・ファースは、実は国王役候補の3番手だったと英紙テレグラフ電子版が報じている。
報道によれば、監督のトム・フーパーが最初に主演をオファーしたのはヒュー・グラントだったが、断られたそうで、脚本家のデイヴィッド・セイドラーはポール・ベタニーを主演に推していたらしい。「脚本を書いた時から、スピーチセラピストの役にはジェフリー・ラッシュを思い描いていたが、国王役はポール・ベタニーに演じてほしかった」とテレグラフ紙に語っている。
この報道を受け、ポール・ベタニーは「後悔? もちろんしているよ。でも、僕は家族のために正しい決断を下した」と英BBCニュースに語っている。彼が主演を断った理由は、『ツーリスト』(3月5日公開)の撮影のために5ヶ月も家族と離れて暮らしたので、妻や息子たちの待つ家に帰りたかったからだという。
また、トム・フーパー監督はテレグラフ紙の記者に対し、「ヒュー(グラント)が軽いタッチで演じるのなら、それはあまり興味がなかった。でも、コリンと会って話をするうちに、彼が国王を演じるべきだというディープな実感が湧いてきた」と語ったという。
俳優が変わると映画も変わるが、この作品ほど主演男優の存在感に左右される映画も珍しいだろう。ヒューやポールが主演した場合を想像してみるのも『英国王のスピーチ』の楽しみ方の1つだ。
「レギオン」に主演してくれただけで充分です。
ポール・ベタニーにこれ以上似合いの役はないと思うわ、うん。