東野圭吾のミステリー小説を映画化した『白夜行』が1月29日に公開され、新宿ピカデリーで初日舞台挨拶を開催。堀北真希、高良健吾、船越英一郎、深川栄洋監督が登壇し、撮影苦労話や、本作が第61回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品されることについての喜びを語った。
『白夜行』では、ある殺人事件の加害者の娘・雪穂(堀北真希)と、被害者の息子・亮司(高良健吾)が密かに犯罪に手を染め、昼間の太陽を感じられない白夜のように悲しい人生を送る。既に2005年に舞台化、2006年に山田孝之と綾瀬はるかを迎えてドラマ化されたが、今回は小説をより忠実に映像化した点に注目したい。
本作で初の悪女役を演じた堀北は「確信を得る何かが見えなくて難しい作品でしたが、いろんな方の力を借りて撮影に挑みました」と満足気な笑みを浮かべて挨拶。高良は「監督が役者と同じくらい悩んで、撮影で6kgやせました。そんな素敵な監督が作った映画です」と、深川監督をねぎらった。
撮影中に一番苦労した点を尋ねられると、堀北は社交ダンスの練習だったと言う。「何ヶ月も頑張って練習して、2曲くらい踊れるようになったのですが」と言った彼女の目線に気づいた深川監督は「カットしました(笑)」と発言。高良も「撮影中は良い気分じゃなかったです」と激白し、船越も「いつものアグレッシブで人情過多な演技を封じて演じました」とコメント。深川監督は「皆さんを苦しめたんだなと(苦笑)。でも、それが苦しんでる登場人物と合うんじゃないかと信じてやっていました」と力強く語った。
今回、ベルリン映画祭への出品が決定し、それを祝っての巨大クラッカーが鳴った。監督は「ベルリン映画祭は通常ちょっととがった映画が行って、日本の商業映画が行くってことは本当にないんです。今回、ベルリンに行くことは映画界にとっても意味があると思います」と語った。堀北も初の海外映画祭に行けるということで「なかなか実感が沸かなくて。でも、行かせてもらえることになったので、思い切り感じたいなと」と、喜びの表情を浮かべた。ちなみに「持って行きたいものは?」と振られると「うーん。カメラ、持って行きます」と明るく答えた。