映画.com より(以下一部抜粋)


 監督第2作「ザ・タウン」(2月5日公開)でその手腕を全米の批評家に絶賛されているベン・アフレックが、米バーバンクにあるワーナー・ブラザース本社で映画.comの取材を受けた。同作は、チャック・ホーガンのミステリー「強盗こそ、われらが宿命」の映画化で、強盗を稼業にする主人公が、恋に落ちた女性と仲間の間で葛藤(かっとう)しながらもきずなを深めていくスリリングなドラマ。アフレックは主演・監督・共同脚本の一人三役を務めている。

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 マット・デイモンと共同で脚本を執筆し、オスカーを受賞した「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」から、監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」、本作に至るまで、アフレックが手がけた作品にはある共通点がある。いずれも出身地のボストンが舞台なのだ。

 「正直なところ、またボストンを舞台にした物語をやるのには抵抗があったよ。『おまえの作品は幅が狭すぎる』と批判されてしまいそうだし(笑)。でも、『ザ・タウン』の脚本を受け取って、主人公にほれ込んでしまったんだ。これまでに演じたどのキャラクターよりも魅力的で、『ザ・タウン』を監督することになったのも、このキャラクターを演じてみたかったからだと言えるね」

 その言葉通り、アフレックはキャリア最高の演技を披露している。監督を兼任しながら、どのようにこれほどの偉業を成しえたのだろうか。

 「実は、撮影前は俳優と監督を両立させるのはきっと大変だろうなと覚悟していた。でも、実際にやってみたら、ふたつの仕事はそれほど違っていなかった。監督として映画に参加すると、それこそものすごい時間をかけてあらゆる分野をリサーチすることになる。だから、役者として現場でカメラの前に立ったとき、キャラクターのことはもちろん、作品のこともすべて頭に入っているから、リラックスして演技に打ち込むことができるんだよ」

 主演俳優で監督業をこなしていることから、ベン・アフレックはクリント・イーストウッドと比較されることが多い。アフレック本人が理想とする監督は誰だろうか。

 「それは難しい質問だよ。好きな監督はたくさんいるからね。『ザ・タウン』に限っていえば、ピーター・イエーツ監督の『エディ・コイルの友人たち』のトーンを参考にさせてもらった。現役監督では、デビッド・フィンチャーからコーエン兄弟まで好きな監督はたくさんいる。でも、たったひとりしか選べないとしたら、ポール・トーマス・アンダーソン監督かな。リアリズムに満ちた演出とか、演技の引き出し方とか、大胆な構図とか、すべてにおいてものすごく影響を受けているよ」

 親友のデイモンも以前から監督志望を公言している。先輩としてアドバイスをおくるとするなら、どのようなことを伝えるだろうか。「僕ができる唯一のアドバイスは『さっさと監督しろ』だね。マットは素晴らしい監督になると思う。ぼくの映画にもいつも貴重な助言をしてくれているんだ。ただ、いまの彼は俳優としてものすごく人気があるから、偉大な監督との仕事を優先することで、監督術を吸収する道を選んでいる。役者としてのキャリアがクールダウンしたら、きっと素晴らしい作品を生み出してくれるはずだよ」



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