本年度アカデミー科学技術賞受賞決定の世界的3DCG技術者が、未来のクリエイターたちに熱血指導!
シネマトゥデイより(以下一部抜粋)>映画『シュレック2』において優れたコンピュータグラフィックス(以下、CG)技術の開発に貢献したことで、2011年アカデミー科学技術賞受賞が決定し た世界的な3DCG技術者、アーノルド・ラモレット氏による公開講座「Bakery Relight(TM)」ハンズオンセミナーが、17日に御茶ノ水のデジタルハリウッド大学本校で開催され、映像の未来を担う若きクリエイターたちが熱心 に同氏の授業に聞き入った。
アーノルド氏は映画『シュレック』シリーズのほか、『ロスト・チルドレン』『ファイト・クラブ』など数々の映画制作にCG技術者として関わってきた。 2007年にはベーカリー社を立ち上げてCTO(最高技術責任者)に就任し、3年間かけて最先端のCG作成ツール「Bakery Relight(TM)」を開発。この日行われたセミナーは、自由な使い心地が世界中から注目を集めているという同ツールを、アーノルド氏が日本の若者た ちに直接指導するという内容になった。
「私は24年間CG技術者をしています。24歳以下の方はいますか? あなた方が生まれる前からです」と軽いジョークを交えてあいさつを行ったアーノル ド氏。「Bakery Relight(TM)」を開発しようと考えた経緯について「映画などの大きなプロジェクトにおける問題点は、コンピューター上で1つパラメーター(プロ グラムに動作条件を与えるための数値)をいじると、処理が終わるのを何時間も待たないといけないということです。その間技術者はタバコを吸ったり談笑をし たり、Facebookをのぞいたりして時間を潰している。効率が非常に悪かった」と現場の作業効率を向上したかったことを説明。さらに現在市場に出回っ ているCGソフトについても言及し「アーティスティックなソフトは直感的であるべきだが、マーケットに出回っているものを見るとそれが盛り込まれていない と感じます。もし皆さんがミュージシャンだとして、楽器を弾いても音が鳴らないで、10分後に鳴る状態を想像してください。良いミュージシャンは即興演奏 をしながら作品を直していくが、同じことがCGアーティストにも言えます」と独特の言い回しで、アーティストの創作を手助けするツールの不足を指摘した。
その後アーノルド氏の指導を受けながら、受講生たちは「Bakery Relight(TM)」の直接操作を行った。人間の髪の長さや色を一瞬で変えたり、動物の毛並みを自由な形にしたり、カラフルな色にしたりなど、素早く 自由に変更することができる同ツールに受講生たちは興味津々。セミナー終了時間になっても帰る受講生ほとんどおらず、ツールを操作し続けたり、アーノルド 氏を質問責めにするなどしていた。