映画.comより(以下一部抜粋)

>岡田将生と榮倉奈々が、瀬々敬久監督の最新作「アントキノイノチ」で初共演を果たすことがわかった。「余命1ヶ月の花嫁」「Life 天国で君に逢えたら」などで、“命”というテーマと真しに向き合い続けてきた製作チームが、今作では第61回ベルリン国際映画祭で「ヘヴンズストーリー」が国際批評家連盟賞とNETPAC(最優秀アジア映画)賞をダブル受賞した瀬々監督とタッグを組む。

「ヘヴンズストーリー」ベルリン国際映画祭で2冠

 さだまさしの同名小説が原作で、岡田演じる永島杏平は、高校時代のある事件がきっかけで心を閉ざしてしまうが、遺品整理業という仕事を通じて“命”の現場に立ち合うことになる。榮倉が扮するのは、杏平の同僚・久保田ゆき役で、互いにひかれ合うという役どころ。杏平が徐々に心を開き始めたある日、ゆきの衝撃的な過去を知ることに……。さだの小説の映画化は、「精霊流し」「解夏」「眉山」に続く4作目となる。

 昨年の第33回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞した若手実力派2人が、複雑な過去をもつ難役に挑む。原作を先に読んだという岡田は、杏平について「心に問題を抱えていて、今まで演じたことのない役に挑戦させていただくので、今まで以上にしっかり演じたい」と意欲的。榮倉も、「生きるということ、社会と関わるということ。日々、自問自答しながら前進したいと望む姿は、同世代としてとても興味深い」と脚本に共感した様子だ。

 同作の平野隆プロデューサーは、2人の起用を「芝居に取り組む姿が真っ直ぐで真面目。この2人だからこそ、厳しい世界で少しずつでも前に向かっていこうと願う人間をさわやかに演じてくれると期待している」と説明。それだけに、「榮倉さんはいろいろな作品に出ているのを見ていて、とても素晴らしい女優さんだと思っています」(岡田)、「初めてご一緒させていただくので、どんな風にコミュニケーションを取って撮影が進んでいくのか、今から楽しみです」と、3月1日のクランクインでの対面を心待ちにしている。

 4時間38分の超大作「ヘヴンズストーリー」がベルリン国際映画祭で熱狂的に受け入れられた瀬々監督。今作について、「人と人とのつながりが希薄になっている現代に、日本人はどう生きていくのか、どうやって新しい希望を見つけていけばいいのかということを描きたいと思っているので、『ヘヴンズストーリー』との連続性を感じています」と話す。そして、「自分たちの足元を見つめながら映画をつくっていきたいと思っているので、今回の受賞はうれしいという気持ちとともに『アントキノイノチ』を撮影する力にもなっています」とコメントを寄せた。

 「アントキノイノチ」は今秋、全国で公開。