シネマトゥデイより(以下一部抜粋)

>ビバリーヒルズにある映画科学アカデミー本部にていよいよアカデミー賞を前日に控えた2月26日(現地時間)の午後、最優秀メイクアップ賞にノミネートされている候補者を一堂に会してのお披露目会が行われた。

第83回アカデミー賞 主要部門

 お披露目会が始まって間もなく、会場の明かりがいっせいに消えて停電……というハプニングが起きて少々遅延したものの、アカデミー最優秀メイクアップ賞にノミネートされた作品のメイクアップ・アーティストたちが一堂にステージにあがり、お披露目会のホストをつとめたメイクアップ部門理事長レオナルド・エンゲルマン氏が、「彼らはアカデミー賞の候補にあがっただけですでに勝者と言えるでしょう!」と紹介すると会場からスタンディングオベーションが巻き起こった。

 今年度アカデミー・最優秀メイクアップ賞で初めてノミネートされた、ポール・ジオマーニ主演ドラマ『バーニーズ・バージョン(原題)/Barney’s Version』のメイクアップ・デザイナー、エイドリアン・モロト氏、そしてコリン・ファレル主演の戦争ドラマ『ザ・ウエイ・バック(原題)/The Way Back』のメーク責任者エドアルド・ヘンリケス、グレゴリー・ファンク両氏とヘア・チーフのヨランダ・トウシヘング氏、最後に『ウルフマン』でメーク担当をしたモンスター・ファンなら誰でも知っている大御所リック・ベイカー氏とメーク監修のデイブ・エルシー氏は、アカデミーのメイクアップ部門在籍の会員たちが再三に渡る会議と試写の結果、年内に公開された数々の作品の中から選りすぐって選出した候補作品である。

 ノミネート作品のメークのすばらしさが垣間見られる10分のサンプル映像を見ながら座談会形式で進められたお披露目会は、その中でトピックとして、昨今のCGIの台頭が昔ながらのメイクはどのように影響を及ぼしているかという話題で盛り上がり、候補者の誰よりもプロ歴が長くメイク歴40年になりマイケル・ジャクソンの有名ビデオ「スリラー」の特殊メイクも手がけたリック・ベイカー氏は、「昔ながらのメイク法がCGIに適わない部分というのは絶対あるし、その逆にCGIが昔ながらのメークに適わない部分も存在する。どちらの手法も上手く組み合わせて映画に見合った方法で使用するのが両方にとって最良の結果を生むと思う」と述べると、簡潔明瞭な大先輩らしい回答に他の候補者もうなずく様子がみられた。

 最後に司会のエンゲルマン氏が、「では候補者のみなさん、明日のアカデミー授賞式でまたお会いしましょう」と言うとリック氏が、「え? 授賞式あしただっけ?」とおどけて周囲を笑わせた後、アカデミー賞イブ最後のイベントが幕を閉じた。

 アン・ハサウェイとジェームズ・フランコが司会を務めるアカデミー賞授賞式は、現地時間2月27日にコダック・シアターで開催。日本ではWOWOWにて2月28日午前9時30分より生放送される。



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