MovieWalkerより(以下一部抜粋)

>2月26日(土)より開催の『東京国際ゾンビ映画祭2011』。その初日に上映されるマーク・プライス監督『コリン LOVE OF THE DEAD』(3月5日公開)は製作費45ポンドにも関わらず、09年のレインダンス映画祭をはじめ、数々の映画祭で栄誉ある賞を獲得し、あのゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロ監督以来の最高のゾンビ映画とも評されている。そんな映画を作り上げたマーク・プライス監督が初来日を果たし、本作への、いやゾンビへのあふれる思いや、製作裏話など、たっぷり話を聞いた。

――まずはこの作品を撮ろうと思ったきっかけを教えてください

「とにかくゾンビ映画を撮ろうと思ったのが最初です。そしてストーリーが浮かびました。そこでリサーチしてみると、今までこのようなゾンビ映画がないことがわかり、じゃあこれで行こうということで進めました」


――ゾンビの感情がここまで描かれている作品はないと思います。そこはこだわりでしょうか?

「ゾンビに感情があって、そこに観客が共感してくれればと思いました。感情を失うことがゾンビなのか?その辺の微妙なラインで描いています。見終えて、是非皆さんで論議してもらえれば嬉しいですね」


――サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』に影響を受けたと聞きましたが?

「僕が最も影響を受けたのはジョージ・A・ロメロ監督です。やはり彼なくしてゾンビ映画は語れませんし、敬意を払っています。サム・ライミ監督は作風という意味でリスペクトしています。難しい状況でどのように工夫して作るか?クリエイティブや姿勢を見つめることが大切だと思います。他には『ジョーズ』をストーリーを描くうえで一番のお手本にしています。ピーター・ジャクソン監督も好きですね」


――低予算ということばかり強調されますが、その辺はどうですか?

「実は45ポンドが取り沙汰されたのは完成してしばらく経ってからなんですよ。セールス担当者が誤って製作費何百ポンドという発言をしたので、僕が訂正したんです。それを聞いたプロデューサーが宣伝に上手く利用したんですね。お客さんは低予算なので期待せずに見る。でも完成度が高くて驚く、ということですね」


――ボランティアやスタッフをfacebookやtwitterで集めたそうですね。今後もこれらのツールを使う予定でしょうか?

「基本は友人、友人の友人です。それ以外の部分でこれらを使ってボランティアを募集したり、撮影日時や場所などの告知をしました。誰と誰がつながっていくか?輪を広げる意味でとても価値があると思います。日本に来ても毎日使っているし、次回作でも使っていくつもりです」


――今回が初来日とのこと。日本の印象はいかがですか?

「時差ぼけがひどくて、まだ窓からのサンセットとサンライズしか見られていないんですが、素晴らしい体験です。夜景もとてもアメイジングですね。ロンドンではこんな夜景は見られませんから」


――監督の次回作について教えてください

「前々から脚本を書き上げていた『THUNDERCHILD』という作品です。第二次世界大戦を舞台にしたホラーで、もちろんゾンビも登場します。予算的には55万ポンドぐらいでロンドンの街中で撮影をしています。でも資金集めに難航していて、待っている間にCanon 7Dを使ってもう一本、低予算の作品『Magpie』を二週間ぐらいで作りました」


――今後も監督として映画作りを続けられますか?

「もちろん続けますよ。今回の経験を生かし、自信をつけて『これぐらいの作品ならこの程度の予算で』というのもわかってくるので、ハンディカムを使い、自分のPCで編集、そのレベルの映像を作っていきたいですね。僕は、やった仕事に対してふさわしいギャラを払うのは当然という信条でやっています。本作では全員ノーギャラでしたが、これは今回限りです。一緒に作った仲間に恩返しという意味でも予算の出る作品でギャラを払いたいですね。そういう熱意を持ち続けていきます」


――最後に日本のゾンビ好きなファンにメッセージをお願いします

「本作は小規模な作品ですが、目一杯楽しんで作りました。世界中で見てもらえる作品になったので、皆さんにも見て楽しんでもらいたいです。是非皆さんの反応を聞かせてください」


初来日をとても喜んでいたマーク・プライス監督。時差ボケのせいでかなり疲れていたにも関わらず、取材中は終始にこやかに対応してくれた。ゾンビ映画界にとって頼もしい監督の出現で、ますます活気づくだろう。次回作『THUNDERCHILD』にも期待大だ。


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