>『英国王のスピーチ』(公開中)が4部門で受賞し、幕を閉じた第83回アカデミー賞授賞式。セレモニーに出席した女優たちがそれぞれの個性とセンスを発揮し、今年の授賞式を彩った。例年に比べてカラフルなドレスが多かったが、これまでレッドカーペットと被ることを恐れ、あまり選ばれてこなかった赤いドレスを好む女性たちが目立った。
主演女優賞受賞のナタリー・ポートマンは、受賞が確実視されていただけに、彼女がどんなドレスで現れるか注目されていたが、実際は彼女の気品と知性の高さを感じさせる紫色のドレスで登場。妊娠中のナタリーの腹をドレスがふっくらと包み、その膨らんだお腹が幸せを象徴していた。授賞式で握り締めたゴールドのオスカー像との相性も抜群で、涙ぐみながらスピーチするナタリーの姿はパーフェクトだった。
ジェームズ・フランコと共に司会を務めたアン・ハサウェイは、その衣装チェンジの回数も話題となっていたが、実際は7着。刺繍が美しい白いドレスや、肌の透明感を際立たせるグレーや深紅のゴージャスなドレスのほか、ブルーのシンプルなデザインドレスで見る者の目を楽しませた。そんな中、印象的だったのは二番目に着用したタキシード姿。一昨年、司会を務めたヒュー・ジャックマンのパフォーマンスをパロッたステージを展開し、キュートな笑顔と女優魂を感じさせるパフォーマンスを披露した。ラストに着用したブラックのドレスは、よく見ると女性でもドキッとさせられるほどスケスケ。大胆に肌を露出することはないものの、体のラインが綺麗に出るドレスで美しさとセクシーな魅力を醸し出し、授賞式を締めくくった。
昨年、主演女優賞を受賞し、主演男優賞のプレゼンターを務めたサンドラ・ブロックはゴージャズなレッドのドレス、二コール・キッドマンがディオールの白いドレスで登場するなど、女優としての魂やプライドを感じさせる装いで出席した中、本人とデザイナー以外の誰もが首を傾げたであろう姿で現れたのは、ケイト・ブランシェットだった。ピンクとラベンダー色の微妙なレース使いとデザインはまるで椅子カバー。司会を務めたジェームズ・フランコが、マリリン・モンローを模したパフォーマンスで着たコミカルなピンクのドレスの方がまだましだったかもしれない。“ケイト”と“残念なファッション”といえばケイト・ウィンスレット。昨年、授賞式に出席したケイト・ウィンスレットは、シルバーのパンツルックで決めたつもりだったが、細身効果を狙えなかった。ケイト・ブランシェットも、ケイト・ウィンスレットも、素晴らしい女優でありアカデミーの常連。今後は個性的なドレスよりも、彼女たちにふさわしいドレスをまとって、そして女優としての美しさと迫力を見せつけてほしいものだ。
ケイト・ブランシェットの問題の(?)ドレス(クリックで大きくなります)。
うんと近くに寄ってディテイルを見るか、
うんと遠くにひいてシルエットを見たなら美しいドレスなんですが……。
衣装デザイン賞の時。
後ろの映像は「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルンとアルウェン♪
この時ばかりはケイトもドレスも目に入らなかったわ~♪