Mihoko_Nojiri
野尻美保子(災害モード)
ヒマワリの事で重要な連絡があります。放射性物質除去に関して誤った情報が拡散しています。寒地土木研究所 http://ow.ly/4lje9
と私のブログ powerbreathing.seesaa.net/article/192024…
を参照願います。
3月21日に原子力事故に関連して、Twitter上で気懸りな出来事がありました。
ヒマワリを植えて、放射性物質を取り除こうという呼びかけがあったのです。
この呼びかけは、誤解を招く危険があると思いました。
生物の体内に、放射性物質が蓄積する事があるのは知られています。
しかし、生物が放射性物質を分解することは出来ません。
上記の呼びかけで、放射性物質が分解除去されるというイメージ が広がる危険があると思いました。
当日の内に、Twitter上の発起人に修正を求め、一応の終息を見ました。
翌日、ヒマワリと放射能汚染の関係を調べました。
おおもとの資料と思えるものは、独立行政法人 土木研究所 寒地土木研究所の下記資料でした。
寒地土木研究所月報№646 2007年3月号解説「ファイトレメディエーション(植物を用いた地盤の浄化法)について」
植物の重金属吸収能力を利用した浄化方法について紹介したものです。
放射線に係わる部分は以下の通りです。
「ヒマワリがセシウム137を根に、ストロンチウム90を花に蓄積することが判明し、危険性が失われるまで30年以上かかる放射性物質を20日間で95% 以上も除去できる能力を有する結果が得られている。」
この記述は、ヒマワリが根から水分と共に重金属を吸収し、根と花に放射性物質を含む重金属が蓄積することを意味しています。
私は寒地土木研究所にメールで、ヒマワリが放射性物質を分解するものではないという補足をしていただくよう依頼しました。
幸いにも当日夜、寒地土木研究所で、ホームページ上に発表していただけました。
ヒマワリが放射性物質を吸収した後、放射性物質としてのヒマワリの処理が必要なことも書かれています。
http://www.ceri.go.jp/contents/news/20110322.html
この時点で気になって「ヒマワリ 95% 放射性物質」とグーグル検索してみました。
すると、16,800件ヒットし、ほとんどが当日書かれたブログでした。
すでに数字が一人歩きして急速に広まっていました。
ネットの情報拡大スピードに圧倒されます。
私は寒地土木研究所に再度メールで次のことを補足していただくように依頼しました。
1.ヒマワリが吸収できるのは根の周囲だけであること(空気中や地中深くは含まないこと)。
2.原子炉事故で放出される放射性物質は多くの種類があり、その中の2種類での成果であること。
寒地土木研究所で補正を入れてもらえるとしても明日になってしまいます。
このブログを書いている時点、23日午前3時で確認すると、グーグル検索で41,000件ヒットしました。
誤った情報は過大な期待を抱かせてしまいます。
そして大きな失望となって帰ってきます。
被災地の皆さんにも更なる負担と失望をもたらすかも知れません。
私のブログでの情報発信は微力ですが、何とか誤った情報を修正する一助にしたいと思います。
情報修正を、どうかよろしくお願い申し上げます。
3月25日追記
寒地土木研究所のファイトレメディエーションの説明で「30年、20日、95%」という数字が出ています。
この数字は半減期が30年のセシウム137の95%を20日で濃縮したデータがあることを述べてます。
30年が20日に短縮されたわけではありません。
この事を読み間違えると、30年かかる事が20日で出来てしまうという誤った希望を抱いてしまいます。
被災地の方々が放射性物質はすぐに無くなる、もと通りの生活に戻れると思い、そのあとで間違いだったと知った時の事を考えてください。
どれほど大きな絶望感に襲われるか、どうか考えてください。
被災地の方々はとても悲惨な体験をしています。
誤った善意に基づく『人災』で被災地の方々を悲しませないでください。
伏してお願い申し上げます。
寒地土木研究所 http://ow.ly/4lje9 より
>
当該箇所は、植物による土壌中の放射性物質の吸収の研究事例を紹介したものです。
ここで紹介した事例は、植物が一部の放射性物質を土壌から吸収して、その植物の体内に蓄積させることを除去と表現したものであり、放射性物質を分解した り消滅させたりするものではありません。空気中や根の届かない範囲の放射性物質に対する効果は期待できませんし、全ての放射性物質に効果があるかどうかも 不明です。
繰り返しになりますが、紹介した事例は、放射性物質を土壌中から吸収して植物体内に蓄積されるものであり、放射性物質を消滅させるものではありません。また、土壌の浄化には、植物の除去・運搬などの処理を行う必要があります。植物を植えたから問題が解決するというものではなく、その処理まで含めた対応が必要であることに御留意いただきますようお願いします。
*改行、及び赤字と太字は私がつけました。
powerbreathing.seesaa.net/article/192024… より
>2011年03月23日
原子炉事故とヒマワリ
福島第1原子力発電所では、原子炉及び燃料棒の冷却作業が、懸命に続いています。3月21日に原子力事故に関連して、Twitter上で気懸りな出来事がありました。
ヒマワリを植えて、放射性物質を取り除こうという呼びかけがあったのです。
この呼びかけは、誤解を招く危険があると思いました。
生物の体内に、放射性物質が蓄積する事があるのは知られています。
しかし、生物が放射性物質を分解することは出来ません。
上記の呼びかけで、放射性物質が分解除去されるというイメージ が広がる危険があると思いました。
当日の内に、Twitter上の発起人に修正を求め、一応の終息を見ました。
翌日、ヒマワリと放射能汚染の関係を調べました。
おおもとの資料と思えるものは、独立行政法人 土木研究所 寒地土木研究所の下記資料でした。
寒地土木研究所月報№646 2007年3月号解説「ファイトレメディエーション(植物を用いた地盤の浄化法)について」
植物の重金属吸収能力を利用した浄化方法について紹介したものです。
放射線に係わる部分は以下の通りです。
「ヒマワリがセシウム137を根に、ストロンチウム90を花に蓄積することが判明し、危険性が失われるまで30年以上かかる放射性物質を20日間で95% 以上も除去できる能力を有する結果が得られている。」
この記述は、ヒマワリが根から水分と共に重金属を吸収し、根と花に放射性物質を含む重金属が蓄積することを意味しています。
私は寒地土木研究所にメールで、ヒマワリが放射性物質を分解するものではないという補足をしていただくよう依頼しました。
幸いにも当日夜、寒地土木研究所で、ホームページ上に発表していただけました。
ヒマワリが放射性物質を吸収した後、放射性物質としてのヒマワリの処理が必要なことも書かれています。
http://www.ceri.go.jp/contents/news/20110322.html
この時点で気になって「ヒマワリ 95% 放射性物質」とグーグル検索してみました。
すると、16,800件ヒットし、ほとんどが当日書かれたブログでした。
すでに数字が一人歩きして急速に広まっていました。
ネットの情報拡大スピードに圧倒されます。
私は寒地土木研究所に再度メールで次のことを補足していただくように依頼しました。
1.ヒマワリが吸収できるのは根の周囲だけであること(空気中や地中深くは含まないこと)。
2.原子炉事故で放出される放射性物質は多くの種類があり、その中の2種類での成果であること。
寒地土木研究所で補正を入れてもらえるとしても明日になってしまいます。
このブログを書いている時点、23日午前3時で確認すると、グーグル検索で41,000件ヒットしました。
誤った情報は過大な期待を抱かせてしまいます。
そして大きな失望となって帰ってきます。
被災地の皆さんにも更なる負担と失望をもたらすかも知れません。
私のブログでの情報発信は微力ですが、何とか誤った情報を修正する一助にしたいと思います。
情報修正を、どうかよろしくお願い申し上げます。
3月25日追記
寒地土木研究所のファイトレメディエーションの説明で「30年、20日、95%」という数字が出ています。
この数字は半減期が30年のセシウム137の95%を20日で濃縮したデータがあることを述べてます。
30年が20日に短縮されたわけではありません。
この事を読み間違えると、30年かかる事が20日で出来てしまうという誤った希望を抱いてしまいます。
被災地の方々が放射性物質はすぐに無くなる、もと通りの生活に戻れると思い、そのあとで間違いだったと知った時の事を考えてください。
どれほど大きな絶望感に襲われるか、どうか考えてください。
被災地の方々はとても悲惨な体験をしています。
誤った善意に基づく『人災』で被災地の方々を悲しませないでください。
伏してお願い申し上げます。
寒地土木研究所 http://ow.ly/4lje9 より
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寒地土木研究所月報№646 2007年3月号解説「ファイトレメディエーション(植物を用いた地盤の浄化法)について」の補足について
平成23年(2011年)福島第一・第二原子力発電所事故に関連して、ファイトレメディエーション(地盤浄化)に関する当所の資料「解説 ファイトレメディエーション(植物を用いた地盤の浄化法)について(寒地土木研究所月報第646号)」
を引用される方が増えております。
このことに関して、資料の内容について補足を行いましたのでお知らせします。
補足の趣旨
本解説は、重金属による土壌汚染対策手法のひとつとして植物の重金属吸収能力を利用した浄化方法について紹介したものです。
本解説中(寒地土木研究所月報第646号43ページ左下から4行目~右上から3行目)に 「上記の5種類以外にも放射性物質を吸収する能力も研究されており、チェルノブイリ原子力発電所爆発事故の検討例は注目されている。成果の概要はヒマワリ がセシウム137を根に、ストロンチウム90を花に蓄積することが判明し、危険性が失われるまで30年以上かかる放射性物質を20日間で95%以上も除去 できる能力を有する結果が得られている。」 との記述があり、多くの方から放射能汚染の除去方法として引用されているようです。
この記述に関し、簡潔な記述としてしまったために本来の意図とは異なる受け止められ方をされる恐れがありますので、補足いたします。
当該箇所は、植物による土壌中の放射性物質の吸収の研究事例を紹介したものです。
ここで紹介した事例は、植物が一部の放射性物質を土壌から吸収して、その植物の体内に蓄積させることを除去と表現したものであり、放射性物質を分解した り消滅させたりするものではありません。空気中や根の届かない範囲の放射性物質に対する効果は期待できませんし、全ての放射性物質に効果があるかどうかも 不明です。
繰り返しになりますが、紹介した事例は、放射性物質を土壌中から吸収して植物体内に蓄積されるものであり、放射性物質を消滅させるものではありません。また、土壌の浄化には、植物の除去・運搬などの処理を行う必要があります。植物を植えたから問題が解決するというものではなく、その処理まで含めた対応が必要であることに御留意いただきますようお願いします。
*改行、及び赤字と太字は私がつけました。