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> リドリー・スコットが、「イラク建国の母」「女アラビアのロレンス」と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの伝記映画を企画している。

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ベルは1868年、イギリスの裕福な家庭に生まれ、20歳でオックスフォード大学を卒業。その高学歴が災いして、妙齢になっても一人として求婚者が現れなかったため、家庭に入ることをあきらめたベルは、1892年、ペルシャ公使としてテヘランに駐在していた伯父を頼って渡航。そのまま世界一周の旅に出たり、中東を何度となく旅して見聞を広めると共に登山と考古学も学ぶ。

1914年に第一次世界大戦が勃発すると、アラビア語が堪能で中東の情勢にも詳しいベルは、アラビアのロレンスことT・E・ロレンスと共にイギリスの諜報機関の情報員となる。第一次世界大戦後はイラク建国に貢献。考古学者としてイラク国立博物館の前身となる考古学博物館の設立に尽力するが、26年、睡眠薬の過剰投与で死亡。事故か自殺かはいまだに判明していない。

ベルの伝記映画については、ヴェルナー・ヘルツォークもナオミ・ワッツを主役に構想中らしい。だが、もしスコットが本格的に製作に乗り出した場合は、製作資金調達力の点でスコットの方が有利なのは間違いなく、オリヴァー・ストーンの「アレキサンダー」(04)に先を越されて製作の機を失ってしまったバズ・ラーマンのアレキサンダー大王映画、あるいは同じ主題だったにもかかわらず敢えて翌年に公開した結果、ベネット・ミラーの「カポーティ」(05)と比較されてしまった「Infamous」(06、ダグラス・マクグラス監督、日本未公開)の二の舞にもなりかねないゆえ、ヘルツォークたちにとっては厄介なことになりそう