アカデミー賞の聖地チャイニーズ・シアターの買い手は怪しげな個人!その一人は歴史的駄作『バトルフィールド・アース』のプロデューサー

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

>米国が経済危機に陥ってから数年が経過したが、その影響は現在も色濃く影を落としており、特に不動産業界はまだどん底から抜け出していないのが実情である。しかし、売りに出されている物件は往々にして激安。これに目を付けて、今まで不動産に手を出したことのないような人々が興味を示しだしている。そのいい例が今週映画界の経済面をにぎわした、ハリウッド観光名所チャイニーズ・シアターお買い上げのニュースである。

 2000年よりワーナー・ブラザーズとパラマウント・ピクチャーズにあったチャイニーズ・シアターのオーナーシップ。実は約1年前から売りに出されていたのである。しかしこの経済難でなかなか買い手が見つからず頭を痛めていたらしい。そしてこのほどやっと両社の親会社である大メディア企業バイアコム社を通してバイヤーが決定したとの発表があった。


 オーナーに名乗りをあげたのはバイアコム社にも匹敵するような大企業かと思いきや、なんと新しいオーナーは2名の個人。それも双方ともにハリウッド映画のプロデューサー、そしてその内のひとりはイワクつき起業家でもあり、ありがたくない方面で名の知れた人物だというから周囲はあっけに取られている。


 そのイワクつきの人物というはエリー・サマハ氏というのだが、サマハ氏は10年ほど前に映画業界とは無縁のドライ・クリーニング業をはじめ、やがてロサンゼルスでナイトクラブの経営に着手するなどして顔を広めていったのだという。ハリウッドでお金に余裕ができると手を出したくなるのが映画ビジネスで当時のサマハ氏も例外にもれず、そのときに映画のプロデュースに着手したらしい。しかしその作品が、いまだに業界でニガ笑いの種となっている歴史的な愚作ジョン・トラヴォルタ主演SF映画『バトルフィールド・アース』だったとなると少々話しは変わってくる。


 おまけに話のとどめは、サマハ氏が同作品の製作費を異常に膨らませて私腹を肥やしたとして、当時映画製作に関与していたドイツの映画製作会社に詐欺罪で告訴されたである。結局、サマハ氏は敗訴、ドイツの製作会社に1億2,200万ドルの支払いを命じられたものの支払うことが出来ず値切って300万ドルにまけてもらったという、なんともトホホな過去の持ち主である。


 昔の行いが良くないからと言って現在の行いを頭ごなしに疑うのは不公平であろうが、世界的に有名な観光名所チャイニーズ・シアターが、少々怪しげな御仁に買い上げられたということで顔をしかめる人々も少なくない。


 サマハ氏と組んで、チャイニーズ・シアターを共同で買い取ったのはドン・クシュナー氏というハリウッドのプロデューサーで映画『トロン:レガシー』を手がけた人だ。サマハ&クシュナー両氏からの直接コメントは報じられていないが、両氏の関係者を通じてLAタイムス紙は、「これからのチャイニーズ・シアターは、劇場内のフードやドリンク類のメニューを一新する以外に大々的な変更はないはずである」と報じている。このふたりが新しいオーナーとしてチャイニーズ・シアターをよりよい方向へ導いてくれることを祈るのみである。

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