オリコンより(以下一部抜粋)

> 俳優・西田敏行主演の映画『星守る犬』(瀧本智行監督、6月11日公開)の完成披露会見が9日、東京都内で行われた。名もなき男と犬の旅路を通して、人 と人とのつながりを描いた感動作。昨年の夏に、東京、いわき、遠野、弘前、石狩、名寄で撮影が行われ、福島県出身の西田は「図らずも大震災前の美しい三 陸、いわきの海が写っています。感慨もひとしおです」と涙ぐんだ。

【写真】玉山鉄二、川島海荷らキャストが揃った会見の模様

 会見にはほかに、西田演じる男の足跡を辿るたびに出る市役所の職員・奥津役の玉山鉄二、奥津と行動を共にする少女・有希役の川島海荷、別れた妻役の岸本 加世子、奥津の祖父役の藤竜也、いわきのコンビニ店のオーナー役の中村獅童、瀧本監督、そして原作者の村上たかし氏が出席した。

 2008年に『漫画アクション』(双葉社)で発表された原作コミックは、リストラ、熟年離婚、無縁死など、現代のはらむ問題に鋭く斬り込みながらも、人と人とのふれあい、人と動物の間に生まれる無償愛を描き、“とにかく泣ける”と評判となった。

 奇しくも東日本大震災から3ヶ月目に公開される巡り合わせに、西田は「この作品の持つ意味を被災者の方々にも感じていただけたらと思う。歯を食いしばっ て毎日頑張っていらっしゃると思いますが、ちょっと映画にかこつけてお父さんも泣いてみたらどうですか、と提案したい。泣くことで気持ちが浄化されること あるので、そこからまたステップアップできるんじゃないかなと、そう思う気持ちもどこかにあります」。

 タイトルの“星守る犬”とは、今は使われていない“消えた日本語”の一つと言われる慣用句で、決して手に入らない星を物欲しげにずっと眺めている犬を例えに、「高望みしている人」を指す言葉。

 西田は「震災前は、無縁死や孤独死が増えて、人と人との絆が希薄になって、閉塞感みたいなものを感じていたけれど、震災後に日本が一つにまとまって、人 と人とのつながりを再認識できたのも事実。震災でいろんなものを失って、それがどれだけつらくて寂しくて、喪失感を味わって、その中で気付いたことを大切 にしたい」と話していた。


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