世界初の3Dエロ映画、ヒットの勝因は“好奇心” | Who killed Cock Robin?
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「世界初の3Dエロ映画」を標榜する香港映画「3D肉蒲団之極楽宝鑑」が地元劇場で大々的に封切られ、年間の興行記録トップテン圏内の座を確実にする大ヒット街道を驀進している。
この作品は、日本でも「SEX&禅」「スー・チーのSEX&禅」などの邦題でリリースされてきた著名ポルノグラフィック・コメディの久方ぶりの再映画化、もしくはシリーズ最新作とでも呼ぶべきもの。17世紀の古典小説をベースに、若き青年が様々な女との出会いにより性の不可思議な世界に目覚めていく様を描いている。今回は「SEX&禅」のプロデューサー、スティーヴン・シュウの息子であるスティーヴン・シュウ・ジュニアが製作と脚本を担当し、孫立基が監督を務めた。
4月14日に封切られた本作は、その2週間前から公開されていたジョニー・トーの「単身男女」の累積興行成績をあっという間に抜き、本稿執筆時点で早くも1300万香港ドル台の興行収入を記録。エロティックものは二線級の興行ルートでややひっそりと公開される傾向が強かった香港の常識を打ち破り、この時期最大級の話題作としてダントツの公開規模で上映が続けられている。香港の劇場には中国から本作を見るために多数の観客が〝越境〟しているとも伝えられているほか、台湾でも同時期に公開され、こちらでも大ヒットを記録中だ。製作サイドはその他のアジア諸国での公開も計画しているが、検閲の問題もあり、現時点でほかに公開が決まっているのは韓国くらいだという。同シリーズ旧作からの伝統を受け継ぎ、本作でも原紗央莉ら日本のAV女優が重要な役で出演している。
一時はIII級(成人指定)映画ブームがジャーナリスティックに語られるほどエロティック・アダルト路線作品が活況を呈していた香港だが、近年はそのブームも去り、製作そのものがすっかり下火となっていた。もっとも今回の大ヒットも、エロティックな内容そのもので受けたというよりも(実際、そんなにハードな内容のエロ描写があるわけではない)、エロと3Dという掛け合わせへの好奇心によってヒットしたという要因が大きいと見るべきだろう。しかし今回の大ヒットを受けて、早くも続篇の製作が企画されている。