シネマトゥデイより(以下一部抜粋)

>22日、公開を来月に控えたスタジオジブリの最新映画『コクリコ坂から』と通信会社のKDDIがコラボレーションしたキャンペーン「コクリコ坂から ×KDDI」の記者発表会にて、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが宮崎駿監督も携帯電話のヘビー(?)ユーザーであることを明かした。発表会に は、鈴木プロデューサーのほか、KDDIの高橋誠専務、『コクリコ坂から』の主題歌を歌う手嶌葵が出席。手嶌が主題歌「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」を披露するなど、終始和やかな会見となった。

映画『コクリコ坂から』場面写真

 キャンペーン「コクリコ坂から×KDDI」では、auケータイ、auスマートフォン向けに『コクリコ坂から』の劇場予告編のほか、宮崎吾朗監督インタ ビュー、手嶌葵のビデオクリップなどの限定ムービーを配信。また限定楽曲や待ち受け画面、壁紙などコンテンツのプレゼントが実施されるという。物語の舞台 が1963年の横浜であることから、横浜市とも提携してスタンプラリーの実施や、1963年当時の町並みの疑似体験などもできるそうだ。

 「ご承知のとおり、ジブリはケータイやネットと距離を置いてきた。けれどいずれやらないといけないし、時期はどこかで来ると思っていた」と語った鈴木プ ロデューサー。高橋氏との出会いを「ジブリは毎年現代美術館でいろいろな展示をしているが、そこで(KDDIの)高橋さんに講演をしていただいた。それま でも数回お目にかかっていたが、僕は人の顔と名前を覚えるのが苦手で、名刺を渡したら『いいかげんに覚えてください』と鋭い目でにらまれた」と振り返り、 同氏のことが強く印象に残ったと説明。さらに後日、高橋氏は屋久島へ旅行に行ったときのことを「屋久島ではケータイが通じなかったんですよ」と鈴木にうれ しそうに報告したそうで、「ケータイ会社のトップにいる人でもそういう(ケータイが通じないことを笑顔で話した)ことがあるんだなと思い、この会社とタイ アップするのは間違いじゃないと思いました」とコラボレーション実現までの経緯を明かした。

 それを受けた高橋専務は「ジブリはコンテンツを大事にする最高峰。一緒に仕事ができるとは夢にも思っていなかった」と喜びをはじけさせた。さらに KDDIが創立10周年を迎えたことに触れ「通信会社としての原点を見直さないといけない。コミュニケーションの原点である『人と人が向き合う大切さ』 『伝えたいということ』が『コクリコ坂から』にはたくさん詰まっているので、多くの方にメッセージが届けばと思う」とキャンペーンの展望を語った。

 また鈴木プロデューサーは、「大きい声で言うと問題があるので小さい声で言います」と前置きし、「宮崎駿もケータイを持っているんです」と意外な事実を 明かす。そして「僕の前では『緊急のときしか使ってないよ』と言うが、会社で買ったケータイなので記録が残る。チェックするとかなりの頻度で使っていま す」と会場を笑わせ、「そのケータイはauなんです」と締めくくって高橋氏を喜ばせていた。

 『コクリコ坂から』は『ゲド戦記』以来、宮崎吾朗が約5年ぶりに演出を手掛けるファンタジックな要素を排したスタジオジブリ作品。16歳の少女と17歳 の少年の愛と友情のドラマと、由緒ある建物をめぐる紛争を軸に、真っすぐに生きる高校生たちの青春をさわやかに描いていく。(肥沼和之)

キャンペーン「コクリコ坂から×KDDI」は7月1日から8月31日まで実施
映画『コクリコ坂から』は7月16日より全国公開