シネマトゥデイより(以下一部抜粋)

> 4日、映画『コクリコ坂から』の完成披露会見が横浜のホテルニューグランドで行われ、宮崎吾朗監督と2度目のタッグとなる岡田准一が「監督のようにまっ すぐ線の通った優しい作品」とアピールした。この日のイベントには、宮崎吾朗、プロデューサーの鈴木敏夫、声を担当した長澤まさみと岡田准一が登壇。物語 の舞台、横浜でイベントを行った。

映画『コクリコ坂から』場面写真

 映画の舞台、横浜にあるホテルニューグランドで行われた会見には、話題のジブリ映画発表ということもあって多くの報道陣が集結。冒頭には会場の外の山下 公園でフォトセッションがあり、父の帰りを願うように毎朝旗を掲揚する健気な主人公・海さながらに長澤と岡田が旗をかかげてみせ、場を盛り上げた。

 監督2作目となる宮崎吾朗監督は「いろいろ大変なこともあったが、縁や運に助けられて公開にこぎ着けた。前作のときは素人から始めて勢いで作れました が、今回はそのようにはいかない。初めて映画を作る大変さを感じ、自分の中ではスタート地点に立ったと思う。達成感とやり残したこと両方あります」と謙虚 (けんきょ)にあいさつ。ほかに「宮崎駿のシナリオには実写的ともいえるシーンが多くあった。そういった心情が出せるのかというのことがチャレンジになっ た」ともコメントした。

 一方、監督の顔色を見て、「何かが落ちたと感じた」と笑う岡田は、「今回の映画は親子二代にわたる物語です。前作の『ゲド戦記』で、吾朗さんと駿さんの 親子二代の物語を観た。吾朗監督が今回2度目で命を懸けてやっている本作への出演を決めたからには、ついていく覚悟で臨みました」と監督と2度目のタッグ となる本作に対する意気込みを振り返った。そして本作を「監督のようにまっすぐ線の通った優しい作品に仕上がっています」とピーアールした。

 また被災地へ新作を引っ提げキャンペーンを行った鈴木プロデューサーは、「この映画を観て(被災地の方に)感動していただいたので良かったなと思った。 目を赤く泣きはらしていた方もいた」とキャンペーンについて語った。ほかに「『エヴァ』の庵野秀明監督を連れて行ったんで『せっかくだからトトロの下にサ インを書いて』と言ったら嫌がっていました」と明かし笑いを誘っていた。

 本作は、企画・脚本が宮崎駿で、監督が宮崎吾朗のジブリアニメで、高度経済成長期の港町・横浜を舞台にした青春ドラマ。歴史ある学生会館の取り壊しをめ ぐる紛争中に知り合った高校生の男女を軸にその時代を正しく生きた人々を鮮やかに描く。緻密に再現された古き良き昭和の原風景も見どころの一つ。(取材・ 池田敬輔)

映画『コクリコ坂から』は7月16日より東宝系にて全国公開