何者かが下山の道を示した?世界的登山家ラインホルト・メスナー氏が登山中の仰天エピソードを披露
シネマトゥデイより(以下一部抜粋)> 6日、「人食い山」と恐れられるヒマラヤのナンガ・パルバートで起きた実話を基にした映画『ヒマラヤ 運命の山』の公開を前に、本作のモデルで世界的登山家のラインホルト・メスナー氏の来日記者会見がドイツ文化会館ホールで行われ、同氏は登山中の仰天エピソードを披露したほか日本の登山ファンへメッセージを送った。
『ヒマラヤ 運命の山』は、若き登山家として活躍していた当時25歳のメスナー氏が、多くの登山家が命を落としてきたナンガ・パルバートの登はんチームに弟ギュンターと共に参加するも、途中でチームが分裂。兄弟は別行動で登はんを目指し達成するが、生還したのはメスナー氏だけだった……という実話を基にした作品。本作では、当時山の中で起きた真実の出来事が子細に描かれている。
何度も来日経験があり、富士山にも登ったことがあるというメスナー氏は、日本が登山ブームであることに触れ「いろいろな年齢の方がスポーツや趣味で登山をしていると思うが、単なるスポーツとしてではなく自分の経験となるような体験をしてほしい」と登山を通じて得られる経験の大事さを強調。そしてこれまで登山中に何度も死に直面したことを明かし「重要なのは自分の限界を知って行動すること。ゆっくりと注意深く、一歩一歩踏みしめて次の目標に向かっていってほしい」と安全を最優先して登山を楽しんでほしいと訴えかけた。
そしてメスナー氏は、8,000メートル級の山の頂上付近で体験したエピソードとして「自分が漂っているような感覚がして、自分の上半身を自分で見ていたことがある」と幽体離脱のような状態になったことや、下山をする際に「わたしの前に人影が見えて、下山する道を示してくれました。それがなかったら下山できなかったと思います」という不思議な現象を次々と披露。登山家ならではのエピソードに、会場はすっかり聞き入っていた。
そもそも本作が映画化されたのは、ナンガ・パルバートから生還したメスナー氏が「この出来事をどうしても書き留めておかないといけない」と、入院中に執筆した登山記録の本が監督の目に留まったのがきっかけなのだそう。悲劇的な要素が強い映画だが、メスナー氏は「人生において起こるのは快いことばかりではない。そんな現実の人生を再現したのがこの映画です」と独特の言い回しで映画の説明をした。(肥沼和之)
映画『ヒマラヤ 運命の山』は8月6日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
- ちなみにこちらは「共喰山(ともぐいやま)」。記事とは無関係ですが。
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