Movie Walkerより(以下一部抜粋)

>アクションスターのジェット・リーが、俳優人生初のノーアクションかつノーギャラで出演したことで話題を集めている映画『海洋天堂』(公開中)。自閉症の 息子と余命わずかな父親との静かな交流を描いた感動作だが、実はこの作品、熱心なファンが一年以上も前からブログ上で日本公開を呼びかけ続け、話題になっ ていたことをご存知だろうか?

【写真】アクションヒーローから離れて、普通の人を演じるジェット・リー

『海洋天堂』が中国で公開されたのは2010年6月のこと。当時、同作の日本公開は未定だったが、同じく2010年6月に開設された「ジェット・リーの 『海洋天堂』を日本で観たい!」ブログで、ファンが日本公開に向けた活動を開始したところ、同ブログには多数の応援コメントが寄せられ、さながら署名活動 のような盛り上がりを見せることになったというわけだ。

これまで『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(07)、『ファンボーイズ』(08)、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)など、熱烈なファンの活動をきっかけに日本公開が実現した作品は少なくない。だが、その多くが欧米で制作され たコメディ色の強い作品などで、今回のようなアジア発の人間ドラマの公開を求めるファン活動は目立っていなかった。その点、本作が多くの声を集めたのは、 ジェット・リーという大スターの新境地を見たいという映画ファンの思いだけでなく、自閉症の家族を持つ方々からの支持があったからだ。劇中では自閉症の症 状が虚飾なく描かれており、自閉症のことを正しく理解してもらいたいと考えている自閉症関係者の応援コメントが寄せられているのが『海洋天堂』ならではの 独特な点といえる。

そして何より、映画の内容が素晴らしいということに尽きるだろう。子の幸せを願う親の愛情という普遍的なテーマが優しく、温かく、美しく描かれており、公 開を待ち望んでいた人々も必ずや満足できるはずだ。公開前から熱心な支持と期待を集めた注目の本作は、現在2館のみの上映だが、この先30館以上での順次 公開が決まっている。ジェット・リーが熱い気持ちで臨んだ『海洋天堂』は、撮影にクリストファー・ドイル、音楽に久石譲、ジェイ・チョウがエンディング曲 を提供するなど、美しい映像と音楽が感動を盛り上げている。是非とも本作は劇場で堪能してほしい。



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