歴代記録を一新!『ハリー・ポッター』最終作が1位!シリーズ初のフル3Dも半数以上は2Dで観ることを選択 -7月18日版【全米ボックスオフィス考】

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

>世界中のファンが待ち望んでいた映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』がついに全米で公開され、1億6,919万ドル(約135億3,520万円)というデビュー週末における史上最高の収益をたたき出し全米ナンバーワンに輝いた。ハリポタの最終章となる本作の勢いはこれだけにとどまらず、4,350万ドル(約34億8,000万円)で深夜先行ロードショーの興収記録、9,110万ドル(約72億8,800万円)で封切り初日の興収記録、そして映画『ダーク・ナイト』が1億5,841万ドル(約126億7,280万円)の収益を上げ達成したデビュー週末興収記録をも打ち破って、ボックスオフィスの記録を一新するという、ハリポタシリーズのフィナーレにふさわしい有終の美を飾る結果となった。(1ドル80円計算)

今週第1位の映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』写真ギャラリー

 4,375館・11,000スクリーンという驚くべきスケールで封切られた本作は、IMAX274館を含む3,100館強で3D上映が行われたものの、3Dからの収益は全体の43パーセントで、およそ半数以上の映画ファンは、ハリポタ最終章を普通の2Dで観ることを選択したようである。

 映画『ハリー・ポッター』シリーズは、現在までに概算21億7,730万ドル(約1,741億8,400万円)という国家予算並みの利益を上げており、このままでいくと22億1,780万ドル(約1,774億2,400万円)で現在トップに君臨している映画『スター・ウォーズ』シリーズを抜くのは時間の問題といわれている(『スター・ウォーズ』シリーズは再上映分の興収も含む)。しかし観客動員数にしてみると、さすがのハリポタもジェダイのフォースにはかなわぬようで、全8本ある『ハリー・ポッター』・シリーズは、『スターウォーズ』シリーズ観客総動員数の57パーセントにしか達していないという統計が発表されている。これは、現代の3D館やIMAX館が巨大スクリーン収容のため座席数を普通の映画館よりも少なく作っており必然的に定員数も限られてくることが理由に挙げられるが、それにも増して考えられるのは、『スター・ウォーズ』がブームになった1970年代当時と現在の人々の映画に対する意識というのがかなり変化してきており、映画館に行かなくても映画を楽しめるといった考え方が、たとえハリポタシリーズでも観客動員数で『スター・ウォーズ』シリーズにかなわなかった理由ではないかと推測される。

 ちなみに、配給ワーナー・ブラザーズが封切り週末に行った『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の観客調査によると、前作の映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では全体の57パーセントが女性客だったことに比べ、新作のパート2は54パーセントが女性客、そしてパート2においては全体の45パーセントが25歳以下の観客であったという結果が出ている。

 今週末はとにかくハリポタのワンマンショーとなった全米ボックスオフィスで、トップ以下はすべて先週のランキングがそのままワンランクずれただけという形なっている。

 ざっとご紹介すると、第2位が映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』で、2週連続のトップからワンランクダウンして2,133万ドル(約17億640万円)の収益。映画のジャンルから考えると、3週目でおよそ55パーセントの降下率というのは決して悪くないパフォーマンスである。ちなみ『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』は、今年に興収3億ドル(約240億円)を突破した初の映画となっており封切り19日目にして3億290万ドル(約242億3,200万円)という興収を記録している。

 代わって第3位は、1,778万ドル(約14億2,240万円)で映画『ホリブル・ボスズ(原題) / Horrible Bosses』。この作品はすでに6,015万ドル(約48億1,200万円)の総合興収を上げており、先ごろ公開されたキャメロン・ディアス主演の同ジャンル映画『バッド・ティーチャー(原題)/Bad Teacher』の封切り10日目の成績に匹敵する。

 第4位は、映画『ズー・キーパー(原題) / Zookeeper』の1,233万ドル(約9億8,640万円)。ケヴィン・ジェームズ主演の前作であるコメディー映画『モール★コップ』の公開後同時期と比べて総合収益が3分の2以下という結果で、関係者たちをガッカリさせている。

 今週トップ5最後は、映画『カーズ2』で841万ドル(約6億7,280万円)。公開後24日で総合収益1億6,540万ドル(約132億3,200万円)を上げているものの、ピクサー作品で総合収益が最下位だった『バグズ・ライフ』をようやく追い抜いた形となり、ピクサーシリーズ全体として考えると元気がない。

 来週のチャート予想に移るが、週末封切り予定の新作でトップに食い込みそうな作品は2本。1本目は映画『ファンタスティック・フォー』シリーズでおなじみのクリス・エヴァンスが新たなアメコミ・ヒーローを演じる映画『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』だ。アメコミものには食傷気味とはいえ、アクション映画に目のない映画ファンたちにとっては見逃せない作品である。主演のクリスは少々マイナー感があるとはいえ、この映画の助演男優陣は豪華なシブ面おやじがそろっている。トミー・リー・ジョーンズ、ヒューゴ・ウィービングが肩を並べ、作品のクオリティーに大きく貢献している。

 2作目はジャスティン・ティンバーレイクとミラ・クニス出演のラブコメ映画『フレンズ・ウイズ・ベネフィッツ(原題)/Friends With Benefits』だ。”Friends with benefits”とは日本語にすれば“ベッド友達”といおうか……要するに“友達だけどベッドも共にする仲”という意味である。映画『ブラック・スワン』ではミラの競演相手だったナタリー・ポートマンも最近アシュトン・カッチャーと共演した映画『抱きたいカンケイ』で似たようなジャンルの映画に出ていたが、イノセントな雰囲気のナタリーより、ミラのほうがこういった女性キャラに向いていて面白いのではというのがちまたの見解で、果たしてこのウワサが興収という結果となって表れてくるかが注目されるところである。