熊をも倒した! 無敵の人間『極道兵器』を地でいく坂口拓、ニューヨーカーも驚きの極道ぶりを披露
Movie Walker より(以下一部抜粋)>7月23日(土)から銀座シネパトスで公開される『極道兵器』を引っさげ、主演と監督を務める坂口拓、監督の山口雄大、そして山中アラタが、現在開催中の第10回ニューヨーク・アジア映画祭に登場! 上映前と上映後に登壇し、ファンを前に本物の極道ぶりを披露した。
【写真】ニューヨーク・アジア映画祭で『極道兵器』の舞台挨拶に立った坂口拓。同作では監督と主演を務める
同作は漫画家の故・石川賢が手がけ、1998年に週刊漫画サンデーで連載されていたものの実写映画版だ。同作で坂口は、極道組織・岩城組組長の息子、岩城将造を、山中は内閣特務捜査官の赤尾虎彦に扮している。
まず上映前に舞台に上がった坂口と山口は、「戦いのシーンの連続であるこの映画を、楽しんでください」と英語で挨拶し、上映が始まった。この作品は、世界征服をもくろむデスドロップ・マフィアの上陸を阻止するため、復讐劇で片腕と片足を失った将造が、日本政府によって改造人間“極道兵器”となり、デスドロップ・マフィアと戦うというストーリーだが、坂口たちの言う通り、ほとんどが戦いのシーンだ。銃あり、刀あり、殴り合いありで血みどろの戦いが繰り広げられるのはもちろんのこと、片腕と片足が兵器と化した改造人間の将造が、次々に襲いかかってくる敵を滅多打ちに。鮮血飛び散るバイオレンスシーンの連続に、会場のファンは度肝を抜かれると同時に、戦いの各シーンで将造が打ち勝つ度に、大きな拍手が沸き起こった。
そして上映後には、坂口、山口、山中の3人が登壇。冒頭、山口監督は「この作品は、漫画家・永井豪さんの一番弟子で5年前に亡くなった石川賢さんの代表作で、3巻から成る『極道兵器』シリーズの1巻を映画化したものです。彼の漫画を映画化するのはこれが初めてで、ご家族の多大なるサポートをいただきました。完成後には息子さんが試写を見に来てくださったのですが、『最高でした。親父にも見せてやりたかった』と言っていただき、本当に嬉しかったです」と挨拶し、故人に敬意を表した。
その後は、主役の坂口のほぼ独壇場! スクリーンの中とはいえ、ジャッキー・チェン、故ブルース・リーもびっくりの華麗な立ち回りを見せる坂口の演技に魅せられた観客に対し、坂口は「この演技は、ボクシング暦8年、キックボクシング暦5年、総合格闘技暦4年、そして6年間、毎日欠かさない刀の訓練から生まれたもの。(この作品の前に上映された)『VERSUS』(01)の時は、まだアクションというものがちゃんとわかっていなかったんだけど、この作品ではチームを作って7年間アクションを学び、アクション映画の監督もやったので、いかに綺麗な立ち回りで、かつ現実味を出すかにこだわることができたんです」と語った。
また撮影秘話としては、首の骨を折った話を披露。「ロッカールームで、兵器となった足で膝蹴りをするシーンで、相手が怖がってよけちゃったので、僕は勢いあまって首の骨を折っちゃったんですよ。なんか痛いな、とは思ったんだけど、気がつかなくて。そのまま続けて2テイク撮って、医者に行ったら、『首の骨が折れていますよ。筋肉がなかったら死んでましたよ』って言われた」んだとか。観客席からは「到底信じられない」と言ったどよめき声が聞こえたが、「人間道を極めればここまでなれる」と正真正銘の極道ぶりを証明した。
また坂口は、実生活で山ごもりの最中に、熊と闘った経験があるそうで、「長野の太郎山で修行をしていた時のことなんですが、太刀で木を切っている途中でトイレに行きたくなったんで、立ちションをしていたら、左後ろに熊の気配を感じたんです。昔、じいちゃんから、「熊を立たせたら、首を折られる(死ぬ)ぞ」って言われたのを思い出して、熊と見詰め合った後、すぐに太刀で熊の鼻の部分に切りつけたんです。そうしたら、鼻がもげたので、その隙にとにかく一目散に逃げて助かりました。後日、その熊が死んでいたと聞きました」と、手にしていた太刀で、山中を熊に見立てて実演つきで当時の様子を説明。日々の修行のおかげで、無敵の将造を地でいく坂口に、ティーンエイジャーの女の子たちも「タクはクールよね!」とほれぼれした様子だった。
観客からのリアクションにすっかりご満悦だった坂口は、舞台上で、山中相手に立ち回りも披露するサービスぶり。そして「今度は、園子温(監督)と、刀で永遠に人を殺していくという映画を作るので、その作品でまたニューヨークに戻って来たいです」と語り、再びニューヨークへの帰還を宣言した。