ぴあ映画生活 より(以下一部抜粋)

>全世界で驚異的な興行成績を叩き出している3D大作『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』が29日(金)から日本公開されるが、実施された一般試写会では、『アバター』のスタッフが手がけたデジタル3D映像とならんで、劇中で描かれる熱き人間ドラマに高評価が寄せられているという。

『トランスフォーマー3』特別映像

ときに“破壊屋”と称されるほど豪快なアクションとディザスター表現を得意とするマイケル・ベイ監督が6年も歳月を投じて挑んできた人気シリーズがついに完結する。完結編はシリーズ初の3D映画となるため、ベイ監督は事前に徹底的なリサーチを実施し、3D映画の利点・特徴と弱点を調べつくした上で撮影を開始。『アバター』のジェームズ・キャメロン監督もその完成度に太鼓判をおしている。

その一方で、ベイ監督は人間ドラマにも力を入れたようだ。思い返せば、本シリーズは冴えない大学生サム(シャイア・ラブーフ)が女の子にアタックするために父親に中古車を買ってもらうことから物語が始まった。彼が手にした黄色のスポーツカーは、自動車でありながら実は人型に変形(トランスフォーム)する謎の金属生命体で、それを機にサムは、親友となったトランスフォーマー、バンブルビーや司令官オプティマス・プライムら善なるトランスフォーマー“オートボット”たちと知り合い、地球の平和を脅かそうとする悪のトランスフォーマー“ディセプティコン”に立ち向かっていく。しかし完結編では、人間が月の裏側(ダークサイド・ムーン)で発見した謎の金属体を持ち帰るため、表向きは“アポロ計画”と称されるプロジェクトを実行していた過去をオプティマスに隠していたことが発覚。そのことで、これまで堅い信頼関係が築かれていた人間とオートボットの間に緊張がはしる。さらに前作で敗れたディセプティコンが地球を最大の危機に陥れる計画を開始。ついに善なるトランスフォーマーと人間との共闘関係が終わりを迎え、人間たちは生身の身体で巨大な金属生命体と戦うことを余儀なくされる。

これまでベイ監督が「最新作では僕が繰り返し描いてきた“自己犠牲”の物語が描かれている」と語っている通り、本作では巨大なトランスフォーマーに圧倒的な力の差を見せつけられてきた人間たちが、まさに“決死の覚悟”で戦いを挑むシーンがクライマックスとなる。と同時にこれまで2度に渡って世界を救うも、栄光を手にすることもなく職探しに奔走しているサムが、オプティマス・プライムやバンブルビーたちとの哀しい別れを経て、トランスフォーマーの助けを借りることなく自らの力で地球の危機に立ち向かおうとする姿が描かれる。

これまでマイケル・ベイ作品はボックスオフィスでは好調な成績を残すも、批評家からは手厳しい意見が多く寄せられてきた。しかし、先日の来日会見でベイ監督は「いつもは僕を嫌いな批評家たちも今回の映画のクライマックス1時間は『素晴らしい』と言ってくれた」と“勝利宣言”ともとれる発言をしており、ベイ監督史上最大の破壊シーンと複数の人間たちのドラマが融合した本作のクライマックスは、これまでのアクション映画にはないクオリティに仕上がっているようだ。

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
7月29日(金)公開
※28日(木)に前夜祭上映あり


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