ぴあ映画生活より(以下一部抜粋)

>全世界で60の映画賞を受賞したスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』を『クローバーフィールド/HAKAISHA』のマット・リーヴス監督がハリウッド版として映画化した『モールス』。今日からの全国公開に先駆け、期待の俊英監督が電話インタビューに応じた。

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本作は、巨匠スティーヴン・キングが、「この20年のアメリカでNO.1のスリラー」と激賞を惜しまぬ一作で、母子家庭の孤独な少年オーウェン(コディ・ スミット=マクフィー)と、隣に越してきた少女アビー(クロエ・グレース・モレッツ)が織りなすイノセントな初恋劇に、街中を揺るがす連続猟奇殺人事件を 絡めたミステリアスなスリラーだ。『ザ・ロード』で天才子役として大注目されたコディ、『キック・アス』で大ブレイクしたクロエという若手演技派の熱演が 作品世界をただならぬ雰囲気で覆い、彼らの出演なしに『モールス』は成り立たなかったのではと思えるほど突出した存在感で観る者を誘うのだ。

「ほめる言葉が見つからない!」と彼らの演技力に感嘆するリーヴス監督だが、とりわけ物語のカギを握る重要なキャラ、アビー役のクロエの実力には舌を巻い た。リーヴス監督は、「カメラを回す時に"カメラ ラブズ ハー"と言っていたけれど(笑)、彼女はスターのカリスマ性を持ち合わせていた」と独特の表現でクロエを絶賛! スタントが必要なシーンでは、「プロのスタントウーマンを入れたけれど、ちょっと動きが違った。そこでクロエを呼び戻して全部彼女でスタントを撮り直した よ!」と、『キック・アス』で鍛えた彼女の高い身体能力にも助けられたとか。リーヴス監督によれば『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督も、「デ・ ニーロと仕事をしたこともあるけれど、クロエはもっと準備万端で、自分の全感情にアクセスできるスゴい俳優だぜ!」と名優と比較してホメていたとかで、哀 しく怖ろしい秘密を持っているアビー役はまさにクロエがいてこそ命を得たのだという。

そんなキャストたちの助力を得た本作は、やがて数奇な運命を辿るだろうアビーとオーウェンの姿に自然と引き寄せられてしまう。ラストは複数の解釈ができる ように仕上がっていて、リーヴス監督は、「人生の哲学や物の見方によって変わるよ」と補足する。「すべては観客次第だし、僕は『このように観てくれ』と言 うつもりもないよ。あの後、アビーとオーウェンがどのような運命を辿るのかは、僕にもまったくわからないんだから!(笑)」と語ってくれた。

『モールス』
公開中


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