映画.comより(以下一部抜粋)

> 映画「神様のカルテ」の試写会が、現役の看護師約130人を招待し8月15日、都内で行われ、主演の櫻井翔と深川栄洋監督、99歳の現役医師として知られる聖路加国際病院の日野原重明理事長がトークショーに出席した。

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 2010年の「本屋大賞」2位にランクインした夏川草介の同名小説を実写映画化。医師不足に悩む地方病院に勤務する青年内科医と、献身的に支える妻やスタッフたちの姿を通じて命の意義、生の輝きを描き出す。

 櫻井は、白衣に身を包んだ130人の現役看護師に圧倒されたようで「戦々恐々としています。お手柔らかに」とニッコリ。撮影前に医療の現場を見学したが、医師が患者にがんを告知する現場を見て「傍からではなかなか分からない医師と患者の太いつながりを感じました」と述懐。深川監督も、「そうして過ごした時間が、映画の中に嘘なく焼き付いていたらと思います」と語りかけた。

 映画を見たばかりの日野原氏は、メガネを外し「(櫻井演じる医師・一止が)僕とまったく同じメガネをかけていてびっくりしました。私もこのメガネをかければ主演できるかも(笑)」とユーモアたっぷりに語り、場内を笑いに包んだ。一方で、一止が死を待つ患者を前に思い悩むシーンについては「僕は72年、医師をやっていますが、最初の患者は結核で亡くなった16歳の女工さんでした。映画を見て彼女の死に立ち会ったことを思い出しました」と思いをはせた。

 日野原氏は、医師が患者に寄り添って生きることの大切さを強調。櫻井は「僕も撮影中、一止と同じように考え抜き、悩み続けていましたが、監督や(妻役の)宮崎あおいさんが寄り添い、支えてくれた。互いに寄り添い、寄り添われる現場でした」と同調した。客席の看護師からの質問にも答えた櫻井。白衣の感想を聞かれ、「医師の白衣のポケットには、処方せんや専門外のことに対応するための本が入っているんですね。僕も2冊入れていたので重かった。これが医師の持つ不安の重さ、命の重さかと感じた」。櫻井の言葉に感極まって涙を流す看護師の姿も見られた。