シネマトゥデイ映画ニュース]より(以下一部抜粋)

> 映画『神様のカルテ』で、櫻井翔演じる主人公の内科医・栗原一止の患者を演じた加賀まりこが、一止の妻役の宮崎あお い(「崎」は正式には旧字。「大」が「立」になります)を前に、「奥様には悪いけれど(笑)」と前置きしながら、一止に淡い恋心(?)を抱いていたことを 明かした。地方医療の現実とその中で成長する一人の医師の奮闘を描く同名小説を、俊英・深川栄洋監督が映画化した本作。加賀が主演した映画『月曜日のユ カ』が10代のころから大好きだったという宮崎と、かねてより宮崎の活躍には一目置いていたという加賀は、インタビューでも意気投合。本作のテーマを熱く 語り合った。

 一止を頼る末期ガンの患者・安曇雪乃を演じた加賀は、「自分でもわからないけれど、限られた命なのに安曇さんでいる時間というのは、とても幸せで した。気分がずっと穏やかで」と与えられた役柄と共に映画の世界を生きたことを回想。「自然と櫻井さんを目で追っているのね。わたしの中では恋という表現 は違うのかもしれないけれど、信頼し切っている人に自分自身を委ねているという感じで、子どものように彼を追い求めていましたね」と明かした。“恋”とい う感情は、もちろん加賀個人の感情から生まれたものではなく、安曇というキャラクターを通して生まれたものだが、加賀は「ただ、ふと気が付くと櫻井さんを 捜している、目で追っている。それは一止先生のことですが、櫻井さんはうっとうしかったでしょうけれどね(笑)」と照れながら笑顔で語った。


 一方、櫻井演じる一止を支える妻・榛名を好演した宮崎は、「イチさんがハルさんに支えられているように見えるじゃないですか。でも、ハルさんはイ チさんに必要としてもらうことで、自分の居場所を見つけられているんですよね。つまり、ハルさんもイチさんに支えられて、2人は成り立っているんです」と 栗原夫婦の関係を説明。榛名を演じることで、2人の夫婦のきずなは、互いに寄り添い合うことで救い合い、より強く結ばれていることを感じたという。


 そんな櫻井演じる一止と宮崎演じる妻・榛名の夫婦愛や、加賀演じる末期ガン患者・安曇との心の交流を通じて、生の輝きを描く本作は、2010年の 本屋大賞第2位に輝いた現役医師・夏川草介のデビュー作の映画化作品。宮崎と加賀の話を聞いていると、『神様のカルテ』は、夫と妻の関係でも、医者と患者 の関係でも、互いに寄り添い合うことが大切であると問うているようだ。本当の意味での救いが問われている現代、観る人によって感じ方はさまざまだろうが、 生きるヒントに通じる映画として、人々の心に届くことだろう。


映画『神様のカルテ』は8月27日全国公開