吉永小百合、「告白」湊かなえ原作の映画に主演!日本最北の極寒地で過酷なロケも行い教師を熱演!
シネマトゥデイより(以下一部抜粋)>女優・吉永小百合の主演映画『北のカナリアたち』の制作が発表された。東映創立60周年記念作品として制作される本作は、「告白」の湊かなえの著作「往復 書簡」の第2話「二十年後の宿題」を原案にした本格派ミステリー。映画『大鹿村騒動記』の阪本順治監督との初タッグで、吉永は教師役に挑戦する。
吉永にとっては、116本目(『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』などのアニメ作品含む)の映画出演作となる本作。吉永は「湊かなえさんの素晴らしい作品をベースにしたカナリアたちと教師のサスペン スストーリーです。観客の皆さまの胸に響く映画になりますよう、阪本監督のもと、全力で取り組みます」と気合いのこもったコメントを寄せている。一方、1 日に東映本社で本作の企画発表会見を行った阪本監督は「東映の映画館の前で生まれ育ち、ヤクザ映画の看板を見て、暴力性を培ってきた(笑)。そんな僕が東 映創立60周年記念映画に携わることができて、なおかつ吉永さんを演出できる機会がやってくるなんて」と感無量な様子を見せた。
これまで骨太で男臭い映画を数多く発表してきた阪本監督と、日本を代表する女優・吉永という組み合わせがどのような化学反応を見せるのか気になるところ だが、阪本監督は「今まで吉永さんが演じてこられた女優としての魅力を大事にしたいと思います。ただ、このストーリーに沿って演出していくと、おそらく皆 さんがあまり見たことのないような吉永さんの表情は当然出てくると思います」と期待させた。
本作の舞台は、高山植物の宝庫でありながらも、厳しい気候のため、切り立った断崖絶壁が連なり、高い木の生えない荒涼とした世界が広がる日本最北の地、 礼文島、利尻島。本作では真冬の撮影が行われるということで、吉永自身も美しくも厳しい自然環境の中に身を置くことになるが、吉永は「この夏に利尻、礼文 を訪れ、息をのむような自然の大きさ、美しさに圧倒されました。雄大な風景の中での映画作りに参加できる嬉しさに胸がときめいています」と今から撮影を楽 しみにしている。
本作で撮影を担当するのは、『八甲田山』や、自らメガホンをとった『劔岳 点の記』など、苦行とも言えるような過酷な環境下でこそ執念を燃やし続けてきた、日本を代表する名カメラマン・木村大作。そんな彼とタッグを組むことに なった阪本監督は「寒さ、暑さ、どちらもつらいですが、いいものが撮れるという期待があります。風景も一つの言語なので、厳しい環境は耐えながら、いい風 景の前の芝居をねばって撮っていきたいと思います。そこは大作さんと一緒です」と笑ってみせた。
『北のカナリアたち』では、利尻島・礼文島の小さな小学校を舞台に、奇跡のような美しい歌声を持つ6人の生徒たちに起こった悲劇の事故がもとで、その地 を追われることになった教師(吉永)が、事故から20年後、かつての教え子たちに会う旅に出るというストーリー。その事故で夫を亡くした教師の悲しみと、 罪の意識を抱えて生きてきた生徒たちの思いが明かされていく。今後は、9月に「美しい歌声を持つ」子役オーディションを実施し、今冬、2012年初夏と2 期に分けて撮影を行い、来夏にクランクアップ。そして来秋以降に全国300スクリーン規模で公開される予定。(取材・文:壬生智裕)
映画『北のカナリアたち』は2012年秋以降全国公開