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 2008年のデビュー作『チェイサー』で韓国映画賞を総なめしたナ・ホンジン監督の最新作で、すでにハリウッドがリメイク権を獲得している衝撃のクライム・サスペンス『哀しき獣』の日本公開が決定した。


 本作は、韓国の連続殺人鬼ユ・ヨンチョルの事件をベースにしたサスペンス映画『チェイサー』で、その衝撃的な演出力とビジュアルセンスが話題となったホンジン監督の最新作。監督の才能にほれ込んだフォックス・インターナショナル・プロダクションによる、韓国映画史上初となるハリウッドメジャースタジオの出資作で、フォックスはすでに英語版リメイク権も獲得。第64回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されるなど、世界中で注目を集める作品となっている。


 物語は、北朝鮮とロシアに接する中国領に住み、韓国に出稼ぎに行った妻と音信が途絶えていたタクシー運転手が、ある陰謀に巻き込まれたことで警察、黒幕すべてから追われる身に。それでも愛する妻に会うため韓国の地で孤軍奮闘するというもの。タクシー運転手のグナムを、脚本の素晴らしさにひかれた『チェイサー』のハ・ジョンウが演じ、キム・ユンソクが冷酷な殺し屋にふんする。ハ・ジョンウは本作で第5回アジア・フィルム・アワードの主演男優賞を受賞した。


 製作にあたっては、通常の映画撮影のおよそ2倍となる300日間の撮影を敢行。監督が「10シーン分準備して、その中から最高のもの、たったひとつだけを選びました」と語るとおり、5000におよぶカット数と250を超えるバイオレンスシーンが生み出されたというから、ホンジン監督の、前作以上にかける作品への思いがうかがえる。

 ハリウッドによるリメイクの可能性だけでなく、将来のハリウッドデビューにも大きな期待が持てそうなホンジン監督。ファン待望の新作となる本作で、『チェイサー』を超える衝撃をもたらしてくれることは、間違いなさそうだ。(編集部・入倉功一)


映画『哀しき獣』は2012年1月7日よりシネマート新宿ほかにて全国公開


Who killed Cock Robin?
相変わらず全力疾走してますな……(きっとこのあと袋叩き)。

「チェイサー」は三拍子。

走る、ボコる、ボコられる、走る、ボコる、ボコられる、のリズムにのって繰り広げられる暴力のワルツ。

どこまで走っても結局元の場所に戻ってくる円舞曲。