http://netallica.yahoo.co.jp/news/226661


>10月1日から公開される「ワイルド・スピード MEGA MAX」。シリーズ2年ぶりの新作となる同作は、5作目ながら最高の製作費180億円を投入し、ユニバーサル・ピクチャーズ史上最高のオープニングを叩き出しただけでなく、全世界で6億ドルを越える興収を記録した。まさにメガヒットなわけだ。

(関連写真)「ゴーストバスターズ3」はビル・マーレイ待ち!シガニー・ウィーバーも全員参加を希望

一般的にシリーズ作の大半は、回を重ねれば重ねるほど興収は右肩下がりになることが多く、ご多分に漏れず、「ワイルド・スピード」も3作目までは下がり続けていた。なのに、5作目でなぜこのように成功したのだろうか。そもそも、なぜ続編にGOサインが出たのか。そこで今回は、続編についての“いろいろ”を関係者に教えてもらった。

まず、洋画が続編にGOサインを出す場合、最も重要視するものとは?

「やはり、予算回収の見込みが立つかどうかだと思います。ただ、ハリウッド映画のシリーズ化の場合、制作費も莫大で、かつ全世界に対して売っていくことを前提としているのでGOサインは出やすい。例えば、『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』のように量で攻めるやり方もあれば、アメコミ系やコメディなど、欧米諸国に固定ファンがいて、ある程度安定した数字が見込めるものも、続編ができやすい傾向にあります」。

では、邦画の場合はどうなのだろうか。


「日本は、元々海外セールスはオマケみたいなもので、とりあえず国内で回収できるか否かが、続編製作の大きな決め手になると思います。また、前編・後編と間をあけずに公開するものは、前後編あわせての予算組ができるので企画が通しやすく、『公開が2回あるということで興行収入も倍を目指せる』『2回に分かれていると特番が組みやすい』『プロモーションが大きく展開できる』など、興行面でのメリットが大きい。そのような背景があり、日本では前後編ものが多くなってきています。さらに、役者やクルー、セット等のスケジュールを一気に抑えて一括して撮れるというのも、製作サイドとしてはありがたいんです」。

そして気になるのが、「ワイルド・スピード~」が2年ぶり、12月16日公開の「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」 は5年ぶりのシリーズ最新作といったように、かなりの期間があいても、続編のGOサインが出るということ。

「ハリウッドでも、久しぶりの続編については新たなオリジナル作品が登場しないことが大きな原因だと言われています。また、いくら時間が空いていても、まったくのオリジナルよりは人気作の続編のほうが知名度も高く、観客動員も見込める。結局、数字が見えるものでないと手が出せなくなっているんです。それに、人気作ゆえ“何年ぶりの~”と盛り上げることもできる。邦画の場合は、やはり長く続けられるアイコン的ヒローやスターがいないのが大きいのではないでしょうか。そして、原作ものが多い現状、無理に続編を作ってしまうと、原作ファンの反感を買うことになってしまう。正直、難しいですよね」。

日米共通して、続編の最大のネックが予算回収ということ。何だか寂しい気もするが、映画もビジネスなのだから当然と言えば当然なのだろう。